地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

祝!神奈中バス90周年・薪バス三太号見参!

2011-07-04 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 日本最大級のバス会社である神奈川中央交通(神奈中)がこのたび90周年の目出度い節目を迎えたことにつきましては、既に当ブログでも津久井の旅レポートを通じて記した通りですが、昨日はその記念イベントとして厚木営業所が公開され、どう考えても梅雨明けとしか思えない炎天下という過酷な条件ながらも、多くのバス愛好家や家族連れが詰めかけ大賑わいとなりました♪ 私も昨日はにわかバスヲタとして初めてバスイベントに参戦しまして、神奈中が誇る最新鋭または主力車両が夏空のもと一堂に会している光景に「さすが神奈中……」とうならされたものですが、それ以上に今回のイベントの目玉として期待していたのが、薪で駆動する秘蔵の代用燃料車「三太号」の公開展示!! 
 薪バスは、戦中戦後の極度の燃料不足の中、何とかバス輸送網を確保するべく普及していた車両であり、燃料事情が好転した昭和20年代後半になると急速に消えたようですが、神奈中は1981年の創業60周年に際し、昭和25年製のディーゼルエンジン車に薪駆動装置を取り付け、当時の雰囲気を完璧に再現! (会場配布のパンフレットによる) したがって、戦中から戦後混乱期にかけて走っていた車両の完全な動態保存というわけではありませんが、神奈中が一大バス会社として貴重な歴史の一ページを後世に伝えようとする方針を明確にして、その後今日まで30年にわたりしっかりと動態を維持しているのは大いに敬服に値することでしょう。



 しかし、如何せん秘蔵品であるだけに、動く機会は滅多にないわけで……そもそも薪バスが消えてからはるか後に生まれた私などは、実車が動くのを眼にするまでは「果たして本当に動くのか?」と半信半疑 (^^;)。そこで、イベント開始から少々遅れて10時10分過ぎ (展示開始の遅れは他でもなく薪燃焼ガスの圧力が上がるのに時間を要したため)、薪バス「三太号」が車庫の奥から颯爽と自走して登場し、バスだまりをグルリと一周したときには、ひたすら連写しまくりながら内心拍手喝采でした♪ そして、近づいてみると本当に焚き火の臭いがする車両が、何と最高時速57km、200‰の登坂力を誇るという……意外なスペックにもビックリ (@o@)。
 ちなみに「三太号」の名前は、昭和20年代に絵本やラジオドラマとして一世を風靡した、津久井・道志川沿いを舞台とする腕白少年と地域の人々の友情物語「三太物語」に由来しています。私の場合は……小学校の道徳の教科書に確か載っていたっけなぁ……(ストーリーも何も覚えていませんが、確か読んだという記憶はあります)。私は約1ヶ月前にその舞台を乗りバスで訪れたばかりですが (三太号展示は全く念頭に置いていませんでした ^^;)、確かにあの美しい山河の中にこんなバスがトコトコ走っていれば絵になるよなぁ……と思います (*^^*)。
 さて、昨日の厚木営業所まつりのお楽しみはこれだけでなく、バスコレ史上初となる神奈中バスコレの限定販売も見逃すわけには参りません。……とゆーか、バスコレは体系的に集めていない私でも、神奈中バスコレは欲しい!と思ったが故に、日比谷での鉄コレ購入と同様の行列合戦に加わったという次第 (^^;)。会場に朝8時に到着後、鉄板焼状態となった営業所の舗装面の上で2時間並び続けるのは相当な体力を要し、かなり参って座り込む人続出……。熱中症患者が発生しなかったのは幸いではありましたが……(滝汗)。しかし「販売は一人10個まで」という超太っ腹なアナウンスが流れた瞬間、会場ではどよめきが起こり、俄然来場ヲタ一同 (→私もその一人 ^^;) の生気が回復していたことは言うまでもありません (^^;;)。会場がそのまま終点となる松蓮寺行 (厚08) は、かつて数年間厚木に通っていた私の脳裏において、厚木営業所への出入庫車がついでに営業運転しているという色彩が強い存在であり、午前中は絶対に空気輸送であるというのが日常ですが、昨日ばかりはバスコレゲットを目指すヲタを輸送するバスと化しており、内心結構笑えました (^^;)。


車体中央のリフトで車椅子乗降も可能な観光バス。凄い・・・



本厚木駅と厚木アクスト (超高層テレコムパーク) 間を走る連接車。



神奈中沿線みんなのアイドル (?)・かなちゃん号。



1980年代まで一般的だったボロい停留所ポールが一つだけ片隅に現存!
(ある意味、これが一番感動的だったりします ^^;;)

上信デキ重連・夏の不定期運転はじまる

2011-07-03 00:00:00 | 地方民鉄 (関東北東部)


 この7月から9月末まで、群馬デスティネーション・キャンペーンが「ググッとぐんま」というキャッチフレーズのもと展開されるはこびとなり、JRと民鉄ともども様々な趣向を凝らしたイベントを展開するようですが、その一環として昨日から上信電鉄にてデキ1・3のが不定期運転が行われています (運転日は公式HPを参照)。黒い凸型電機であるデキ1・3 (2は既に廃車) は、現存する輸入電機として極めて貴重な存在であり、長期にわたる念入りなレストアを経て今年の黄金週間に復活を遂げたのは記憶に新しいところですが、上信電鉄としても単に保有し稀に動かすというだけではなく、割と小まめに (?) 運転日を設けることによって沿線の観光資源として育てて行きたいという方針なのでしょうか? 
 これまで個人的に、上信デキが走るタイミングと個人的な都合がなかなか合わず、残念ながら走っているシーンに巡り合わせたことがありませんので (^_^;;;)、このような古典車両の活用策は非常に嬉しいですね……。



 そこで昨日は、是非上信デキの勇姿を見届けたいと思いまして、朝早起きして高崎へGo! 昨日は群馬界隈をめぐる鉄道ビッグニュースとして、高崎駅におけるSLの同時発車、及び上越線でのC61・C57の重連運転が実施されたのは周知の通りですが、そこで「ほとんどの鉄ヲタはJRにかかりきりとなって上信に流れ込むことはなく、結果として上信沿線はデキ運転にもかかわらず最高にまったりとしていることだろう」……と踏んで、敢えて2日に上信を訪れようと決断した私 (笑)。果たせるかな、その予想はまさにドンピシャ!(^o^) 如何にもJR沿線に群れていそうな雰囲気の人々や、どう見ても鉄道運賃収入に貢献しなさそうな追っかけ車が大挙して雲集することはなく、本当に静かな雰囲気の中で列車を待ち激写するという幸せに恵まれました♪
 朝8時37分に下仁田に到着し、約3時間ほど一般の電車が行き交い入換するさまをのんびりと撮影しつつ、うっすらと煙る西上州の山並みを眺めて深呼吸すると、う~ん空気が美味い!(原発事故の影響で放射線量は多めだそうですが……滝汗) そして11時25分、低くシブく唸る釣掛サウンドとともにデキ重連参上!! いや~ようやく念願かなって撮影でき気分は最高です♪ そして下仁田14時06発の高崎行発車シーンも激写!! 天気予報がハズれまくってド逆光がジリジリと射すように暑く少々ツラかったですが (^^;)、バックの山並みともども味わい深い終着駅を古典電機が出発する雰囲気は素晴らしい……の一言。あ、敢えて欲を申しますと、デキの直後のクハ303が広告塗装でなければ完璧ですかね~。

近鉄超豪華特急車発表記念・ビスタEX

2011-07-02 00:00:00 | 大手民鉄 (近鉄)


 昨日近鉄公式HPにて、再来年の伊勢神宮式年遷宮 (正殿を20年に1度建て替える超重要イベント) に合わせて伊勢志摩観光の魅力をさらにグレードアップし大いに宣揚するべく、とてつもなく豪華な特急車両を新造する旨が発表されました……! 6連2編成を用意するのに要するお値段は37億円ということで、1両あたり約3億円……! さらに全車3列シートまたは個室で、シートピッチをはじめ何から何まで私鉄最高のスペックであることが強調されているほか、2階建ての豪華カフェテリアが用意されているという……。勿論、その一部の設備は皇室や首相・国賓クラスの利用に供されることを想定しているのでしょうが、恐らく超豪華EMUとしてE655系にタメを張ることで (?) 民鉄の雄としての存在感、あるいは観光立国・日本の一翼を担う気概を示し、それによって揺らぎが噂される経営基盤を立て直そうとする意図が見えて来るようです。果たして神武創業の勢いとなりますかどうか?



 詳しいことは公式HP内のPDFファイルをご覧頂きたく存じますが、塗装が塩浜工場内の入換機として残る電気機関車・E31 (車籍なし) と同じ……(^^;;)。あるいは阪神5500系と同じ色?(汗) また、正面の形状やヘッドライト・連結器廻りの形状が、何やら魚の顔を想像させるような……(そう思うのは私だけ?)。
 何はともあれ、こうして新型車両が増えることで、12200系の廃車がますます進行することになりそうですが (-_-;)、あるいはそろそろ30000系・ビスタEXも置き換え対象となりつつあるのでしょうか……? 私が子供の頃、30000系は図鑑の中で余りにも神々しいほどの存在感を誇っており、中学生になってからの関西鉄遠征で初乗車を果たして大いに感動、ビスタEXに改造されてからも依然として優越感をたっぷり感じられる雰囲気は素晴らしく、京都出張のついでにたまに乗ったり撮ったりするのは今でも大いなる楽しみですが……やはりアーバン・伊勢志摩・ACE・Aceと比べますと年増な印象はどうしても否定できませんな……(汗)。それでも、ビスタEXが走り続ける限り、熱烈にその活躍を見守り続けたいことに変わりはありません。そして、ますます過渡期の状を呈しつつある近鉄にもこれまで以上に注目したいものですが、思い出してみれば近鉄特急は昨年10月以来全然撮っていない……(今回アップの画像も昨年8月撮影のものです。滝汗)。

蒼きクライマー・富士急1000系 (上) 標準塗装

2011-07-01 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 今日から7月。激動すぎる2011年も半分が終わってしまったのですなぁ……。そして7月1日といえば富士登山シーズンの到来を意味します。ここ数年、毎年毎年「久しぶりに富士山に登ってみたい」とは思っているのですが、休みと晴れそうな日を結びつけるのは難しく、しかも「同じ登るのであれば最もハードで空いている御殿場口からにしたい」「登った翌日も休みを確保して疲れは後の仕事に引きずらないようにしたい」等々の条件を付けていると、いつまで経っても登る機会は巡って来ないという……(^^;;;)。多少の登山道の大渋滞は覚悟しつつ、素直に夜中に吉田口から登って翌朝下山するというのが一番お手軽ではあるのですが (笑)。
 そんな富士山吉田口への足として、最近は新宿からの直通高速バスが人気を博しているようですが、所詮便数にも限界があるわけで、富士急の電車とバスを乗り継ぐという古典的王道ルートもこの季節になると俄然繁盛することになります。そこで、そんな富士山への足としてのアイデンティティを今改めて明確にしたいということなのでしょうか、本日から富士急は富士吉田駅を《富士山》駅と改称し、一部の登山バスを河口湖駅ではなく富士山駅発とするほか、敢えて一合目から登りたいという客や裾野の自然を楽しみたいという客のために、一合目 (馬返) までのバス路線も運行日限定で運行するとか。う~ん……吉田口という登山道のネーミングや由緒正しき冨士浅間神社のお膝元としての地名を強調するのであれば、富士吉田のままでも良いのではないかと個人的に思うのですが……(^^;)。



 今日はそんな富士急の画像を……ということで、去る黄金週間明けに撮影した富士急1000・1200形の画像をアップしてみましょう。この車両は詳論するまでもなく、京王から最も近いところを走っている元・京王5000系であり (但し台車は軌間の違いゆえ営団の鯨・3000系から拝借)、ロングシートの車両が1000形、一部転換クロスの車両が1200形となっていますが、勿論車窓風景を楽しみたい向きにとっては1200形の方が「当たり」ということになるでしょうか。しかし、主にラッシュ時の増結車として用いられている (?) 1000形のロングシート車内も、京王5000系時代をストレートに思い出させるものがあり、それぞれの楽しみ方があるのだろう……と思います (*^^*)。もっとも、朝ラッシュ時の4連は、大月行にしても河口湖行にしても通学の学生で大賑わい (?) ですので、しみじみと雰囲気を味わいたいということであれば平日日中が狙い目でしょうか。
 そんな1000・1200形の4連、私が訪れた際には大月発722・751・815、及び大月着742・811の列車でやって来ましたが、最近ではミ○ーカの回し者「富士登山電車」に改造された1205Fを除いた計9本のうち3本が色違い編成となっていますので、キレイなブルーで揃った4連を撮影できる確率は(訪れるタイミングにもよるでしょうが)必ずしも高いわけではないような……。そんな中、たまたま分散冷房車を先頭にして青い編成美の4連を激写することができれば (1枚目)、撮った直後思わずガッツポーズですね~(笑)。
 しかし現在、JRE長野工場では富士急向け205系の改造工事がたけなわといわれ、完成のあかつきには1000・1200形の4連が205系 (形式名はさてどうなりますやら・・) 3連となることが予想されるのみならず、車齢が高い分散冷房車から廃車となると思われます。いつの間にか、何気ない富士急の毎朝の風景も風前の灯火となっているのですね……(-_-;)。いっぽう標準塗装の集中冷房車はしばらく残るのではないかと予想していますが、今のうちに楽しんでおくに越したことはなさそうです。