地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

近鉄特急、全面的イメチェンの衝撃

2015-11-13 00:00:00 | 大手民鉄 (近鉄)


 間もなく下界の紅葉は見頃になり、紅葉の名所を沿線に多数抱える近鉄も大賑わいとなることでしょうが、そんな近鉄は最近、「しまかぜ」で大いに話題をさらったのみならず、次世代の名阪特急に一人用デラックス個室の導入を検討していることが伝えられるなど、さすが西の民鉄の雄としての貫禄をひしひしと感じさせられます。
 そんな近鉄、勿論「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」「アーバンライナー」はもとより、クラツー専用電車「かぎろひ」や修学旅行用「あおぞら」に至るまで、様々な色の特急車を走らせているところですが、やっぱりこれぞ近鉄特急、と呼ぶべき色は、初代ビスタカー10000系以来の伝統となっているオレンジと紺色のツートンでしょうか (個人的には2200系などの紺クリームツートンも大好きですが)。



 しかし……伝統はいつか破られるためにある、とはこのことでしょうか。このたび近鉄公式HPにて、近々出場するACE更新車を皮切りに、全ての一般特急車を塗装変更すると発表されました……! その具体的な色はPDFファイルの画像から一目瞭然ですが、正直……アーバンライナーや旧塗装伊勢志摩ライナーのイメージを拡大解釈したものかも知れないものの、何か微妙……。慣れの問題ではあるのかも知れませんが……。
 というわけで、一般特急車は今後約2~3年のうちに、全検や重検を受けるごとに塗装を改め、長年根付いたこのツートンカラーも消えて行くことでしょう……。今後しばらく、関西鉄の皆様で近鉄のホーム端などはパニックになって行くのでしょうか? 否、JRではないのでさほどヲタもおらず没問題なのかも知れません。それでも、全く見かけないということはなくなって行くと思われるわけで、果たして一体どのような旧塗装引退劇となって行くのでしょうか?? 個人的には、またひとつ昭和の遺産が消えて行くことに寂しさを覚えつつも、既に多少は撮っていることから、とりあえずは大きく動揺することなく、新旧塗装混結劇を見守って行きたいと考えているところです。


バゴー地区の「軽便」LRBEの旅 (3)

2015-11-12 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 終点ニャウンカシー駅の南側(駅舎側)に到着~。



 LRBTを置き去りにして、そろりそろりと転車台へ。



 手歯止を噛ませたのち、車掌氏がグイッと押して回転。



 駅前商店街を横目に、機回し線をのんびりと♪

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 ミャンマーの総選挙はNLD (国民民主連盟) の地滑り的大勝利となり、その結果を軍が受け入れるのかどうかが大きな焦点となりつつありますが、一つ確実に言えるのは、アウンサン将軍の娘という超絶カリスマもさることながら、ミャンマー国民が如何に長年の軍の支配に愛想をつかせていたか、ということなのでしょう。ネーウィンと軍が利益を貪ってきたビルマ式社会主義時代を1988年の民主化運動でやっと終わらせたと思ったら、血なまぐさい軍事クーデタと軍政で再び政治的に暗い時代が20数年続き、中共から雀の涙ほどの輸血をしてもらったものの独裁&世界最貧国の屈辱は如何ともしがたく、「このままではいかん」と思った軍人出身のテインセイン大統領による改革が明確な形となっても、ついに軍が信任を取り付けることは出来なかったという……。しかしまぁ、鉄ヲタ目的とほんの僅かな観光目的で訪れただけのヲタなりに、テインセイン氏が硬直しきった体制と経済をここまで変えた (その最大の恩恵として、許可証無しで撮り鉄していても何の心配もなくなった) のは、稀に見る功績だと思われます。独裁者の倅だった蒋経国氏が今や台湾人から圧倒的尊敬を受けているように、引き際の美しさによって後からミャンマー人の尊敬を受けられるようになるかどうか、これからがテインセイン氏にとって最大のヤマ場なのではないかと愚考します。
 そんなミャンマー、もしこのまま軍も再びクーデタをするようなことをせず、あくまで国軍としての本分を守ってNLDと協力し、改革開放・自由民主化路線が続くのであれば、欧米日からの覚えも誠にめでたく、やりようによっては黄金時代に入って行くのかも知れません (落とし穴があるとすれば、イスラーム問題と少数民族問題)。すると、ますます鉄道インフラの改善もスピードアップして行くことになるわけで、軍事政権時代の困窮による苦肉の策として生まれたLRBEの引退も一層早まることになるのかも知れません。

 こんなことをつらつらと思いつつ、今年3月にLRBEに乗った話の続きです。
 バゴーを発車したニャウンカシー行きの珍ドコ編成は、マンダレー本線の複線と分かれたあと、モウラミャイン方面への単線をガタガタと進んで行きますが、線路状態がマンダレー本線と比べて劣悪になった割には余り激しく揺れるわけではない……。要は、LRBE・LRBTが小っちゃい分だけ、劣化したレールや継ぎ目の段差から受けるショックが少ないということなのでしょう。そして、10~15分に1回ほど駅や停留所に止まり、三々五々バゴーからの帰り客を降ろし、市場町 (後述) へのお出かけ客を乗せて行きます。驚くのは、全く駅名表記も何もない橋のたもとや踏切あたりで停車し、そこに客が待っているということ……。一体いつどのようなかたちで周辺住民に周知しているのか、全くナゾであります (笑)。
 途中、とくに乗降の多い駅として、ナウンパタヤーとウァウに停車。デカい買い物かごやら何やら、多くの荷物を抱えたオバチャンを中心に、降りた乗ったのすったもんだが展開されますが、勿論それは中国あたりと比べればのんびり・のほほんとしたものです。私も車外に出て乗降シーンを激写したかったのですが、季節柄、駅周辺の木の陰が深く車体と客に落ちて見栄えがしないのと、機関助手 (運行中の最大の仕事は、停車場に着くごとに渡される運転許可書を受け取ること。ちなみにこれは、一回の列車運行ごとに発行される紙っぺらの票券で、司令所からの電話を受け取った各駅がその都度手書きで発行)の方に特等席である運転席直後の席を譲って頂いておりましたので、そのまま降りずに眺めるのみ (^^;)。
 その後も、田んぼ・用水路&川・荒れ地・森が入れ替わり立ち替わり現れる中を、アップダウンを繰り返しながらズンズン進んで、分岐駅のアビャに到着~。それまで「ボロい」と思っていたモウラミャインへの線路が突如デラックス高速道路に見えるほど、最高に終わっている雰囲気の草まみれヘロヘロ線路へと入って行きます……。が、ビルマをめぐる英日間の激戦が頂点に達し、時間稼ぎをしようとした英軍がシッタン川の橋脚を破壊するまで、モウラミャイン線は今進んでいるヘロヘロ線路からニャウンカシーを経て旧鉄橋を渡っていたということのようです。要するに、アビャからニャウンカシーへの枝線は、かつての本線の残骸だという……。
 それにしても、線路の劣化は「かぶりつき」をするにつけオソロシイものがありました (滝汗)。レールの継ぎ目がちゃんと接続されておらず、ブラブラした状態のところに突っ込んで行くかと思えば、築堤の路盤がほとんど崩壊寸前で、えぐれたスレスレのところに辛うじて腐った枕木が乗っかり、その上をLRBEが進んで行くという……。恐らく英国からの独立以後約70年、全く軌道保守の手を入れていないのではなかろーか?!とすら思えます。LRBEになる前はSL牽引のミキストが走っていたようですが、LRBEになった背景として、単に無煙化というだけでなく、軌道や道床の劣化を見逃せなくなり、超軽い列車で誤魔化そうという意図もあったのかも知れません。
 とまぁこんな感じで、冷や汗をたっぷりかきつつ、野趣が炸裂する10数分間のノロノロ運転が続いたのち、こんもりとした林の中の田舎町に進んで行き、側線も現れたら終点のニャウンカシーに到着!! 客が三々五々散らばって行くのを見計らったかのように、LRBEがLRBTから切り離され、シッタン川手前の分断点に設けられた転車台にしずしずと進んで行きました。というわけで、私もそれに合わせて転車台へ。機関助手氏と車掌氏が人力でクルクル回す何とも牧歌的なシーンを激写しまくったあとは、駅周辺でちらほらと営業している屋台にて、まさにこれぞミャンマーの田舎町!という長閑な風情を眺めながら、モヒンガーの昼飯うまっ♪ ココナッツミルクの中にゼリーやパン切れを浮かべたデザートうまっ♪ 締めの激濃ミルクティーうまっ……♪♪ ヤンゴンから距離にして110~120km程度しかないのに、余りにも遠くに来たかのようなミャンマー旅情に浸りまくったのでした☆

東武野田線急行新設発表記念・60000系

2015-11-10 00:00:00 | 大手民鉄 (東武)


 先日、東武公式HPにて、毎年恒例・初冬のミクリイベントの概要が発表されましたが、やはり目玉は何と言っても「フライング東上」塗装の8000系でしょうか?! しかも、原型顔リバイバルツートン旧塗装の8111Fも揃い踏みということで、これはもう「大きなお友達」によるカヲス決定でしょうか……。他にも350系やら1800系やら、金ぴかスペーシアとか、「これでもか!」という感じの大盤振る舞いにクラクラ……。逝ってみたい気もしますが、最近はすっかりヲタ祭りからは遠ざかっているもので、あのモミクチャで翌日の仕事に差し障ってはイカンと思う自分の若く無さを痛感するのでありました。問題は、これまた毎年恒例でミクリイベントにて先行販売される鉄コレが何になるか……でしょうが、「フライング東上」つながりで5310だったりするのでしょうか?? もし出るとすれば、単に紺色黄帯塗装だけでなく、3扉化されて野田線4連として活躍した晩年の姿も鉄コレ化して頂きたいのですが……(まだ53系が出るとは全く分からないのに、妄想が先走りすぎだろ……^^;)。
 【21:30注記】3000系と3050系……マジかよ! 財布死亡ー(^o^



 そんな、かつては中型半鋼製釣掛がゴロゴロ・チンタラと走っていた東武野田線も、釣掛5070系が走っていた時代すら11年以上前の話となってしまい、さらには8000系も残り少なくなり、すっかりファミマ色60000系と10030系の世界となりつつあるわけですが、そんな野田線に、かねてから検討されていた急行が正式に設定されるはこびとなったということで、何とも隔世の感を感じるのは私だけでしょうか?? 
 もっとも、急行運転は春日部以西に限るということですが、これはまぁ、春日部~運河間では極めて緻密なダイヤ設計による単線運転をやっている以上、そこにムリヤリ急行を突っ込むわけには行かないということなのでしょう。そして、運河~柏間はどの駅でもコンスタントに乗降が多く、さらにはTXへの乗換客も多いことから、敢えて急行運転する必要性はないのでしょう。
 というわけで、そんなプレスリリースを記念して、去る8月に初めて撮影した60000系の画像をアップしておくことにします。まだ60000系には乗ったことはありませんが、まぁどうせ50050系のアーパー線バージョンということでしょうから (それとも全然違うのでしょうか?? ^^;)、別に焦って乗ろうという考えは全くございません (笑)。
 むしろ、5050系が急行運転するところに乗り合わせてみたかった……という妄想を抱いてしまいます。とりわけ凄まじい絶叫を響かせながら走っていたモハ5380やモハ5279など、大和田~岩槻間の飛ばす区間で、どれほどブッ壊れそうな音を出しながら急行運転するのだろうか……と想像しただけでコーフンして眠れなくなりそうです (^_^;)。

社会主義日本エレクトリーチカ2を作る (1)

2015-11-09 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 先日、韓国コレール1000系電車を北朝鮮塗装にするというおふざけの極みをアップしたものですが、そこで沸々と湧き出ずるものがありました……。そうだ、鉄道趣味と共産趣味の馬鹿馬鹿しすぎる結合体たる「社会主義日本エレクトリーチカ」の第2弾を作ってみようかなぁ……と (爆)。
 そこで、ゴソゴソと手持ちのGM板キットを見繕い、テキトーに一部を切ったり削ったりした結果、こんなシロモノが掌の中で爆誕しました (^^;)。作ろうと思って買ったのは良かったものの、その後完成品モデルとしても発売されてしまったばっかりに死蔵品となっていた東武10000系のボディをメインとして、相鉄3000系 (初代) を作るためにクハ76を買って以来余ってしまっている湘南顔をくっつけ、屋根は垢抜けない雰囲気を醸し出すべく国鉄101系 (電動車は秩父1000系前パン) のものを流用しております。↓の画像の、オデコ部分に貼った極細マスキングテープは、正面雨樋設置にあたり位置を研究しているものです。



 まぁ要するに今回は、北朝鮮国鉄や平壌地下鉄のような雰囲気と、日本的な雰囲気を兼ね備えた電車をつくるとしたら、大体こんな感じか……というトライアルです。厳密に再現しようとすると脳味噌がバクハツしますし、時間もいくらあっても足りず……。前回作の「社会主義日本エレクトリーチカ」が、モスクワ地下鉄リスペクトな日本の電車を目指したのと同様、北朝鮮の鉄道をリスペクトしたもの、という程度に割り切っております。したがって塗装も、前回作が社会主義国家標準色の緑皮であったのに対し、今回は北朝鮮電車風の緑系ツートン+黄色帯になることが決定しております (爆)。
 コルゲートがいっぱいなのは、まぁソ連や北朝鮮の客車にも、確か鋼製でコルゲートいっぱいな客車があったはずだ、ということで……(^^;;

 ちなみに、前回「社会主義日本エレクトリーチカ」を制作した時点では、これを「日帝期の省線・民鉄線を合併した首都圏電鉄網の共通電車」とし、あたかも今日「走るんです」がJREと私鉄各社を席巻しているのと同じような状況を想定しておりました。しかしこのたび、大幅に (?) 雰囲気が異なるこの電車を作り始めたことで、架空設定をいじる必要が生じて参りました (笑)。以下の通りに改めさせて頂きます (^^;)。
 *旧帝国省線電車……日本人民共和国鉄道省が走らせる国電として、前回作の「社会主義日本エレクトリーチカ」を運用。
 *旧民鉄……各社ならびに、戦時中に発足していた帝都高速度交通営団を、すべて一大事業体に合併。人民共和国中央政府が50%、首都圏の直轄市 (東京市・横浜市) および各県人民政府が50%出資した「民都高速度交通営団」(略称:営団電鉄 ^^;;) が発足。その標準電車 (略称:営電 ^^;;;) として、今回作の「社会主義日本エレクトリーチカ2」を運用 (非貫通ですけど、地下鉄用はどーすんだ……笑)。

相鉄新色発表記念・現行塗装9000系

2015-11-08 00:00:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 このたび相鉄公式HPにて、かねてから(半ば公然の?)ウワサとして囁かれていた新CI戦略が発表され、来年春に登場する9000系更新車や現在改装工事が進む平沼橋駅の完成後イメージが公開されました。9000系が都内に直通するとは明記されておらず、今後登場予定のJR・東急直通用車両も同様のデザインコンセプトで登場させ、ミナト横浜を走る電車というイメージを全面に押し出すとのことですが……とりあえず個人的な印象では、電車のネイビーブルー単色といい、内装のグレー濃淡といい、駅の濃いグレー(一部煉瓦模様)といい、何やら暗く沈んだ印象を否めないのは私だけでしょうか (苦笑)。折角新塗装はそこそこ悪くないと思っていたのに、7000系を除く全編成の新塗装化が終わって僅かな期間しか経っていないのに、もう新新色か……と。あと、濃いぃ色の単色は、半鋼製釣掛式電車には似合いそうな反面、最初から明るい車体とすることを前提にデザインされた車両には余り似合わないと思うのですなぁ……。



 あと、グレー濃淡の車内デザインや、ボックスシートの本革も、果たして吉と出るか凶と出るか……。いやその、グレーの化粧板って、E231の無味乾燥さにウンザリしていることもあって、個人的には余り好きではないんですよねー。あと、沿線は極悪ヤンキー多発地帯を含むことからして、折角のスコットランド製本革が切り裂き被害に遭わないかどうか、今から本当に心配で仕方ありません……。5・8号車への防犯カメラの装備は、それこそボックスシートの真上をはじめ、森厳を極めて頂かないと (滝汗)。
 総じて最近の相鉄は、とくにハイセンスなビジホの営業が大当たりしていることからして、神奈川県の外側で作ることに成功しつつあるデベロッパーとしての印象を本丸の鉄道事業にも導入し、何が何でも山手線内に直通する鉄道会社として位負けしてはならぬ、という悲壮な決意で以て今回の新CI戦略を進めるのでしょう。まぁそれも悪くはないと思いますが、やはり昔ながらの客の一人として、独自のほのぼのとした雰囲気が何処かに行ってしまうのを寂しく思うものです。
 というわけで、思いがけず短命で終わることが確定してしまった現行塗装の9000系をアップしておきます。HDを漁って気づいたのは……これまで8000系以降の車両は、新7000系以前の車両を撮る前の前座(ピントや露出の確認用)に過ぎず、全然撮り貯めていなかったこと……(滝汗)。その証拠に、当ブログで既にアップした相鉄ネタも、新7000系以前の車両ばかりで、8000・9000系はほとんど登場せず、マンケーやマンセンケーは言わずもがな……(爆)。これではいかんなぁ、ということで、もう少々現行塗装を撮り貯めないとなぁ~と思った次第です。
 いっぽう、近々相互直通運転用の車両が登場するということで、恐らくE235の相鉄バージョンとなるのでしょうか。JR・東急双方と直通運転するということは、それなりに相鉄側もタマ数を揃えなければならないわけで、そうなると7000系のみならず新7000系も代替廃車となって行くことでしょう……(とくに新7000のVVVFはそろそろヘタレるでしょうし)。既に結構撮ったとはいえ、これから数年間、再び勝負が始まるという感じでしょうか……。