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ミステリ感想-『館島』東川篤哉

2006年08月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
巨大な螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死。しかし墜落現場はどこにも見つからない。
天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年、未亡人の意向により、瀬戸内の孤島に建つ銀色の館に再び事件関係者が集められたとき、新たな惨劇(?)の幕が開く。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と刑事が謎に立ち向かう!


~感想~
シリーズを離れて挑んだのは、久々に館物らしい館ミステリ。まだこんな館ミステリらしいトリックがあった!
一見、必要性に疑問を感じる時代設定や、帯に書かれた「なぜ館に名前がないのか」は真相と密接に絡み合い、膝を打たせてくれること請け合い。もちろん実際に打つことはないが「膝を打つ」とはこういうときに使うものだと教えてくれる。
古き良き(というほど古くはないが)館ミステリを愛し、待ち望む諸君。高らかに唱えよう、ここに新たなる館が屹立したと!


06.8.17
評価:★★★★ 8
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