小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『顔のない敵』石持浅海

2006年08月25日 | ミステリ感想
~収録作品~
「地雷原突破」
「利口な地雷」
「顔のない敵」
「銃声ではなく、音楽を」
「トラバサミ」
「未来へ踏み出す足」
「暗い箱の中で」


~感想~
「こんなくだらない物、ミステリの題材に使う以外に使い道がない」というわけで「対人地雷」をテーマにした異色のミステリ+処女作品「暗い箱の中で」を収録。
対人地雷とミステリを見事に融合させ04年のベスト短編にも採られた表題作「顔のない敵」がやはり出色の出来。異色のテーマを扱いつつも、ミステリの肝を外さないのはさすが。
一編のみ対人地雷を扱わない「暗い箱の中で」は氏ならではというか、地震で停止したエレベーター内で起こった殺人事件を、巧みな論理で解き明かす。
広がりのなさそうなテーマで、様々なミステリを描きあげた佳編集に仕上がった。


06.8.25
評価:★★★☆ 7
コメント