~あらすじ~
散歩中、コンビニで買った烏龍茶を飲み絶命した老人。彼は連続無差別毒殺事件の4人目の犠牲者だった。
一方、財閥の娘と結婚し、幸せな家庭を育む杉村の周辺で奇妙な事件が次々と起こる。毒殺事件被害者家族との出会い。会社をクビになった元部下からの執拗な嫌がらせ。死期を間近にした元刑事……。
事件の真犯人は? 事件の真相は? 杉村が様々な事件で垣間見た「名もなき毒」の正体とは?
~感想~
宮部文学。ミステリー要素は皆無。が、とても面白く読めた。途中で気分転換(?)に「セカチュー」を読んだおかげで、宮部氏の筆力の高さを再確認できたのも収穫。
紹介したい作中の言葉がことごとくネタを割っているので、実に紹介しづらい。毒とはなにか。なぜ毒は存在するのか。読んでいる間、そんなことをずっと考えさせられる。
また、完全に私事なのだが、今回の一連の騒動の答え――とまではいかないものの、ヒントとなるものを得られたとも思う。いろいろな点ですごく身につまされた。
非常に評価しづらい作品である。騒動の渦中ではなく、平時であれば「ミステリ味のない凡作」と斬って捨てたかもしれない。読書にはめぐり合わせがある。いつ、どんなときに読んだかで同じ作品でも印象は大きく変わってしまうのだ。その点では、最高のタイミングで今作にめぐり会えたと思う。
「宮部みゆき3年ぶりの現代ミステリー」そんな軽薄な宣伝文句に騙されてはいけない。万人に読んで欲しい、隠れた名作である。
06.8.30
評価:★★★★ 8
散歩中、コンビニで買った烏龍茶を飲み絶命した老人。彼は連続無差別毒殺事件の4人目の犠牲者だった。
一方、財閥の娘と結婚し、幸せな家庭を育む杉村の周辺で奇妙な事件が次々と起こる。毒殺事件被害者家族との出会い。会社をクビになった元部下からの執拗な嫌がらせ。死期を間近にした元刑事……。
事件の真犯人は? 事件の真相は? 杉村が様々な事件で垣間見た「名もなき毒」の正体とは?
~感想~
宮部文学。ミステリー要素は皆無。が、とても面白く読めた。途中で気分転換(?)に「セカチュー」を読んだおかげで、宮部氏の筆力の高さを再確認できたのも収穫。
紹介したい作中の言葉がことごとくネタを割っているので、実に紹介しづらい。毒とはなにか。なぜ毒は存在するのか。読んでいる間、そんなことをずっと考えさせられる。
また、完全に私事なのだが、今回の一連の騒動の答え――とまではいかないものの、ヒントとなるものを得られたとも思う。いろいろな点ですごく身につまされた。
非常に評価しづらい作品である。騒動の渦中ではなく、平時であれば「ミステリ味のない凡作」と斬って捨てたかもしれない。読書にはめぐり合わせがある。いつ、どんなときに読んだかで同じ作品でも印象は大きく変わってしまうのだ。その点では、最高のタイミングで今作にめぐり会えたと思う。
「宮部みゆき3年ぶりの現代ミステリー」そんな軽薄な宣伝文句に騙されてはいけない。万人に読んで欲しい、隠れた名作である。
06.8.30
評価:★★★★ 8