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ミステリ感想-『ハンプティ・ダンプティは塀の中』蒼井上鷹

2006年12月30日 | ミステリ感想
~紹介~
留置室でくり広げられるおかしな謎解き合戦。いつも真相にたどり着くのは、誰よりもうさん臭いマサカさん!?
留置場版・日常の謎(?)など5編を収めた連作短編集。

~収録作品~
古書蒐集狂は罠の中
コスプレ少女は窓の外
我慢大会は継続中
アダムのママは雲の上
殺人予告日は二日前


~感想~
僕にとっては『出られない五人』につづく、これまた大ハズレ。
なんというか、連作短編集の一編として作られ、いちおうの解決は見せるのだが、最後に連作ならではの仕掛けでひっくり返る真相が、そのまま真相として提出されてしまっているという印象を受ける。こんな表現で通じるのだろうか。
一口で言えば、釈然としないのだ。提示された謎に対して、真相があまりに釈然としない。確かに状況を説明してはいるのだが、唯一無二の答えとして出されると物足りない。そんな作品ばかりがそろってしまった。
謎自体もさして魅力的に映らないし、連作としての仕掛けもいまいち。人物造型もぱっとせず、終盤でくり広げられる推理合戦も楽しめない。
つまり、僕とは全くそりの合わない作品でした。


06.12.30
評価:★★ 4
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