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ミステリ感想-『晩餐は「檻」のなかで』関田涙

2007年03月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
死刑制度の廃止に伴い新設された仇討ち制度。
その遂行のため「檻」に集められた七人の男女。彼らにはそれぞれ「殺人者」「被害者」「共謀者」「傍観者」「邪魔者」「監視者」それに「探偵」という役割が与えられていた。
たがいの役割を知らず疑心暗鬼の中、ついに仇討ちが行われる。


~感想~
SF的設定ながら、その世界でしか描きえないトリックではなく、「檻」の中と外を巧みに組み合わせ意表を突くトリックを見せてくれた。
おそらく大半の読者は中盤にかけ、ある一つの真相を思い描くことだろう。しかしそれこそが作者の罠。二重三重に仕掛けられた罠はしっかりと騙してくれること請け合い。
「檻」の外の男の口調や男に降りかかる災難といい、最後に明かされる仕掛けといい、ずっと折原一の新作を読んでいる気分だったのはご愛敬。


07.3.15
評価:★★★ 6
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