~あらすじ~
世界の誰もが夢物語と笑う中、トロイアの遺跡から黄金の山を掘り当てた伝説の探検家シュリーマン。
しかしその史実の裏には謎が謎を呼ぶ異様な事件があった!
歴史の闇に消えた事件の秘密、シュリーマンの秘密、そして世界の秘密とは。
~感想~
著作を連続刊行され波に乗る柳広司のデビュー作。これまた労作である。だが描写とキャラの魅力ですらすらと読み進められるのが氏の特色。
まるで小説上の人物のようにぶっ飛んだ性格のシュリーマンを軸に、消失の謎、密室の謎、動機の謎が乱れ飛ぶ。
デビュー作だけに(?)全ての謎や秘密が渾然一体と溶け合うところまでは行かなかったが、推理のたびに明かされる各人の秘密や、単なる財宝争いに見えた事件の裏に潜む壮大な動機には唖然。
推理が謎を打ち砕き、歪んだ情景を再構成したり、全ての謎が明かされ、しかしそれでも歴然と説明不可能の奇蹟が忽然と立ちのぼるあたり、やはり京極夏彦の匂いを感じる。
柳広司。まだまだとんでもないミステリ書きがいたものだ。
07.3.21
評価:★★★ 6
世界の誰もが夢物語と笑う中、トロイアの遺跡から黄金の山を掘り当てた伝説の探検家シュリーマン。
しかしその史実の裏には謎が謎を呼ぶ異様な事件があった!
歴史の闇に消えた事件の秘密、シュリーマンの秘密、そして世界の秘密とは。
~感想~
著作を連続刊行され波に乗る柳広司のデビュー作。これまた労作である。だが描写とキャラの魅力ですらすらと読み進められるのが氏の特色。
まるで小説上の人物のようにぶっ飛んだ性格のシュリーマンを軸に、消失の謎、密室の謎、動機の謎が乱れ飛ぶ。
デビュー作だけに(?)全ての謎や秘密が渾然一体と溶け合うところまでは行かなかったが、推理のたびに明かされる各人の秘密や、単なる財宝争いに見えた事件の裏に潜む壮大な動機には唖然。
推理が謎を打ち砕き、歪んだ情景を再構成したり、全ての謎が明かされ、しかしそれでも歴然と説明不可能の奇蹟が忽然と立ちのぼるあたり、やはり京極夏彦の匂いを感じる。
柳広司。まだまだとんでもないミステリ書きがいたものだ。
07.3.21
評価:★★★ 6