~あらすじ~
老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村に、幻の竹の花が咲き乱れていた。村に影を落とす二十年前の連続殺人事件。そして、恐れていた忌まわしい事件が再来する。
~感想~
かつての横溝賞優秀賞。それなのに今年の受賞作を完膚なきまでに上回っているとは時代の流れを嘆くべきなのか。
それはともかく、さる書評サイトで絶賛されていたため手にしたのだが、まったくもっておっしゃるとおりの傑作だった。
ラストに示される三つの真相がそれぞれに説得力を持ち、しかも後につづく真相のほうが強度に優れかつ魅力的なのだからすばらしい。多重解決をうりとしたミステリは、ひっくり返される前の真相や、嘘の解決のほうが面白いことも多いのだから、実に満足できた。
全編にわたって張り巡らされていた綱渡りのような伏線と仕掛け、どうして忘れてしまったんだろうと呆気にとられるほどあからさまな手がかり。バカミスだけではない作者の実力をまざまざと見せつけてくれた。
07.12.1
評価:★★★★ 8
老荘思想を規範に暮らすひなびた七世帯の村に、幻の竹の花が咲き乱れていた。村に影を落とす二十年前の連続殺人事件。そして、恐れていた忌まわしい事件が再来する。
~感想~
かつての横溝賞優秀賞。それなのに今年の受賞作を完膚なきまでに上回っているとは時代の流れを嘆くべきなのか。
それはともかく、さる書評サイトで絶賛されていたため手にしたのだが、まったくもっておっしゃるとおりの傑作だった。
ラストに示される三つの真相がそれぞれに説得力を持ち、しかも後につづく真相のほうが強度に優れかつ魅力的なのだからすばらしい。多重解決をうりとしたミステリは、ひっくり返される前の真相や、嘘の解決のほうが面白いことも多いのだから、実に満足できた。
全編にわたって張り巡らされていた綱渡りのような伏線と仕掛け、どうして忘れてしまったんだろうと呆気にとられるほどあからさまな手がかり。バカミスだけではない作者の実力をまざまざと見せつけてくれた。
07.12.1
評価:★★★★ 8