~収録作品~
砧最初の事件
銀知恵の輪
死の黙劇
金知恵の輪
扉
神技
厄日
罠
宗歩忌
時計
離れた家
~感想~
ほぼ発売日に買っておきながら、ちまちまと読み進めようやく読了。硬質な文体が肌に合わなかった。
しかし帯に「本格の鬼」とあるとおり、掛け値なしに分刻みのアリバイトリックや、論理の超絶技巧で読者を幻惑し別世界へといざなう技術はただごとではない。
怪人を跳梁跋扈させたり嵐の山荘を舞台にしなくても、卓越した技術だけでなにげない市井の風景を異空間へと一変させてしまうのである。
数年前に表題作『離れた家』を読んだときには「なにがなんだか解らないがとにかくすごいことが起こっている」という馬鹿丸出しの感想を持ったが、再読となる今回は「とにかくすごいことが起こっていることがなんとなく解る」ようになっていた。成長に乾杯。
それはともかく山沢作品の象徴的存在であろう『離れた家』を既読だったのは痛く、あまりのめりこめなかった。
こんなことを書き連ねていると難解だと敬遠されるかもしれないが、頭からっぽで読むと意味不明、しかし考えながら読めば読むほどに味の出る、いぶし銀の作品集である。
個人的には『離れた家』なみの衝撃を受けた『電話』が次回の刊行では収録されることを願いたい。
07.12.17
評価:★★☆ 5
砧最初の事件
銀知恵の輪
死の黙劇
金知恵の輪
扉
神技
厄日
罠
宗歩忌
時計
離れた家
~感想~
ほぼ発売日に買っておきながら、ちまちまと読み進めようやく読了。硬質な文体が肌に合わなかった。
しかし帯に「本格の鬼」とあるとおり、掛け値なしに分刻みのアリバイトリックや、論理の超絶技巧で読者を幻惑し別世界へといざなう技術はただごとではない。
怪人を跳梁跋扈させたり嵐の山荘を舞台にしなくても、卓越した技術だけでなにげない市井の風景を異空間へと一変させてしまうのである。
数年前に表題作『離れた家』を読んだときには「なにがなんだか解らないがとにかくすごいことが起こっている」という馬鹿丸出しの感想を持ったが、再読となる今回は「とにかくすごいことが起こっていることがなんとなく解る」ようになっていた。成長に乾杯。
それはともかく山沢作品の象徴的存在であろう『離れた家』を既読だったのは痛く、あまりのめりこめなかった。
こんなことを書き連ねていると難解だと敬遠されるかもしれないが、頭からっぽで読むと意味不明、しかし考えながら読めば読むほどに味の出る、いぶし銀の作品集である。
個人的には『離れた家』なみの衝撃を受けた『電話』が次回の刊行では収録されることを願いたい。
07.12.17
評価:★★☆ 5