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ミステリ感想-『十三の呪』三津田信三

2008年10月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
幼少の頃から、人間に取り憑いた死の影が視える弦矢俊一郎。
その能力を売りにして構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。
IT系の青年社長に見初められるも、式の直前に婚約者が急死したという女性。彼の実家では、次々と怪異も起きているという。
神妙な面持ちで語る彼女に、俊一郎は不気味なにかが蠢くのを視ていた……。


~感想~
刀城言耶シリーズで本格ミステリに新たな地平を切り拓きつづける俊英が、肩の力を抜いて(?)ものした作品。
敷居の高い刀城言耶シリーズとは逆に、平易な文体で語られるので初心者にはもってこい。
ホラーのわりに怖さはないがバカミスさながらのトリックが仕掛けられ、ミステリファンもそれなりに納得。
万人にアピールできるだろう新シリーズで、俊一郎のキャラもなかなか面白い。作者も読者も息抜きをかねて長くつづけてほしいものだ。


08.10.11
評価:★★★ 6
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