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ラノベ感想-『零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係』西尾維新

2010年06月06日 | ミステリ感想
~あらすじ~
死んだ人間みたいな目をした少年と、顔面刺青の殺人鬼。
二人の出会いが、そして語られることのなかった京都連続通り魔事件の真相がついに明かされる。


~感想~
タイトルに偽りあって、戯言遣いとの関係はほとんど描かれない。
しかし久々に戯言シリーズでミステリっぽいことをやっていて、ミッシングリンクっぽいものを哀川潤が探偵っぽく解き明かすので、なつかしい気分にひたれる。
また戯言シリーズでは語り手がいーちゃんだったのでなかなか描かれなかった、第三者の目から見たいーちゃんが描写されるのも見どころ。人外ばかりが登場するこのシリーズだが、最も人間離れしているのはやはりいーちゃんなのだなと思う。

こうして四部作を読み終えて感じたのは、やはり戯言シリーズは稀有の作品だったということ。『ネコソギラジカル』の糞つまらなさや尻すぼみっぷりは許しちゃいないが、このキャラ立ちと会話の楽しさは他ではそうそう味わえない。
作者もまだまだ打ち切る気はなさそうで、夏には哀川潤が主役(しかもペリルポイント初登場)の新作が出るとか。


10.5.22
評価:★★☆ 5
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