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ホラー感想-『赫眼』三津田信三

2010年06月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
転校生の目童たかりは謎めいた美少女だった。学校を休んだ彼女に届け物をしに、少年が訪れた家の奥には、あまりにも禍々しい何かが横たわっていた(表題作)。
合わせ鏡が作り出す無限に続く映像世界。その魔力に取り憑かれた男を襲う怪異とは(「合わせ鏡の地獄」)。書下ろし掌編を含む十二編。


~感想~
創作、実話怪談、死相学探偵シリーズと駒をそろえたホラー短編集。
怖い小説というものにはそうそう出会えるものではなく、これもご多分に漏れないが、怖さよりも巧さが光り、飽きさせない造りになっている。
たとえば前述の通り、様々なジャンルを取りそろえたり、会話だけで最後まで進めたり、読者を物語の中に取り込んだりと、手練手管を尽くしてくれる。
加えて最初の一編と最後の一編が連関し、短編集としてもきれいにとじられ、氏のファンならずとも、ホラー好きならば楽しめることだろう。


10.6.3
評価:★★★ 6
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