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ミステリ感想-『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾

2011年02月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
妹が自殺の偽装をされ殺害された。刑事である兄の康正は、殺人であることを隠したままで独自の捜査を行い、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は妹のかつての恋人。
復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる加賀刑事。殺したのは男か? 女か?

※真相は最後まで明かされないが、文庫版では袋とじで答え付き。


~感想~
せいぜい中編程度にしか使えないトリックを、真相を明かさないという斬新な手法で長編に昇華した、という印象。
トリックは主人公が解いてくれるため、読者は犯人を二者択一で当てるだけなのも残念。真相に至る手がかりも非常に単純な、ありきたりで使い古されたもので拍子抜けしてしまった。
リアルタイムで読み、仲間内であれこれ語り合うのを楽しむべき作品であり、真相が袋とじで明かされている現状(しかも古本だから最初から破れている)では、十分に楽しむことはできない。
しかしそれにしても、もう少しひねった手がかり、あるいはトリックを仕掛けてほしかったと思えてしまう。


11.2.3
評価:★★☆ 5
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