~あらすじ~
幼くして養父母を亡くした奈津江は、実姉と名乗る祭深咲に伴われ、実父が経営する施設“祭園”に引き取られた。
そこに暮らす訳ありの少年少女たち。廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。得体の知れない何かが棲む黒い森。
奈津江の出生の秘密が明かされるとき、惨劇は幕を開ける。
“家”シリーズ三部作最終章。
~感想~
いちおうシリーズ完結編らしいのだが、前二作とはまた違った角度から攻めてきた。
序盤からもう超能力の存在を受け入れざるを得ない設定をゴリ押ししてきながら、次第に超能力は置いてけぼりにして、怪異が幅をきかせはじめ、終わってみれば全てが――。
という転倒した趣向は面白いのだが、唐突すぎる結末といい、いつにも増してSF、ホラー、ミステリが混ざり合わず、ちぐはぐな印象が濃い。
三作品の中で最もホラーらしいとは思うが、せっかく前作でにおわせた『百蛇堂』どころか前二作との関連すら薄いのはすこし残念。
あと名うてのミステリ作家として「あのころは精神的に病んでた」はどうかと思うぞ。
11.12.9
評価:★☆ 3
幼くして養父母を亡くした奈津江は、実姉と名乗る祭深咲に伴われ、実父が経営する施設“祭園”に引き取られた。
そこに暮らす訳ありの少年少女たち。廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。得体の知れない何かが棲む黒い森。
奈津江の出生の秘密が明かされるとき、惨劇は幕を開ける。
“家”シリーズ三部作最終章。
~感想~
いちおうシリーズ完結編らしいのだが、前二作とはまた違った角度から攻めてきた。
序盤からもう超能力の存在を受け入れざるを得ない設定をゴリ押ししてきながら、次第に超能力は置いてけぼりにして、怪異が幅をきかせはじめ、終わってみれば全てが――。
という転倒した趣向は面白いのだが、唐突すぎる結末といい、いつにも増してSF、ホラー、ミステリが混ざり合わず、ちぐはぐな印象が濃い。
三作品の中で最もホラーらしいとは思うが、せっかく前作でにおわせた『百蛇堂』どころか前二作との関連すら薄いのはすこし残念。
あと名うてのミステリ作家として「あのころは精神的に病んでた」はどうかと思うぞ。
11.12.9
評価:★☆ 3