~あらすじ~
村の駐在を夢見る浜中刑事は、意に反して並外れた強運で次々と難事件を解決し群馬県警捜査一課の切り札と呼ばれる。
駐在所での日々を妄想する彼が容疑者の境遇に同情し、その言葉を信じる時、事件の小さな綻びが姿を現す。
~感想~
正直、微妙。
他シリーズに登場した浜中刑事を主役に据えながらも、二大看板のように掲げた檄運はともかく、妄想は刺身のツマにもならない扱い。
倒叙形式で「不可能」犯罪を描いたのは新しいが、解説が言及した通り第一話では最大の手掛かりとなるある物の使い方が、第二話ではどう考えてもアンフェアな記述と、不自然な描写が浮きに浮いてしまっている。
「奇想」と「不可能」を掲げた新レーベルながら、解説で実に11ページにもわたり擁護に努めてもやはり「不可能」はともかく「奇想」は見当たらず、良く言えば堅実な、悪く言えば地味で裏切りのない無難な中編に落ち着いてしまった。
だがそれよりなにより「島田荘司/二階堂黎人 監修」は誰得なのだ。
この作品単体にではなく、新レーベルの監修ということだろうし、実際には名前だけでほとんど手も加えられてはいないのだろうが、しかしデビュー時に島田荘司との共著という足枷を付けられるも、他社でやりすぎな作風を身につけそれなりに地位を築いてきた小島正樹になぜまた枷をはめようとするのか。
出版社が何をしたいのかはよくわからず、作者はこれまでの作風を封印して地味な中編どまりと、実に物足りない一冊であった。
15.5.4
評価:★★☆ 5
村の駐在を夢見る浜中刑事は、意に反して並外れた強運で次々と難事件を解決し群馬県警捜査一課の切り札と呼ばれる。
駐在所での日々を妄想する彼が容疑者の境遇に同情し、その言葉を信じる時、事件の小さな綻びが姿を現す。
~感想~
正直、微妙。
他シリーズに登場した浜中刑事を主役に据えながらも、二大看板のように掲げた檄運はともかく、妄想は刺身のツマにもならない扱い。
倒叙形式で「不可能」犯罪を描いたのは新しいが、解説が言及した通り第一話では最大の手掛かりとなるある物の使い方が、第二話ではどう考えてもアンフェアな記述と、不自然な描写が浮きに浮いてしまっている。
「奇想」と「不可能」を掲げた新レーベルながら、解説で実に11ページにもわたり擁護に努めてもやはり「不可能」はともかく「奇想」は見当たらず、良く言えば堅実な、悪く言えば地味で裏切りのない無難な中編に落ち着いてしまった。
だがそれよりなにより「島田荘司/二階堂黎人 監修」は誰得なのだ。
この作品単体にではなく、新レーベルの監修ということだろうし、実際には名前だけでほとんど手も加えられてはいないのだろうが、しかしデビュー時に島田荘司との共著という足枷を付けられるも、他社でやりすぎな作風を身につけそれなりに地位を築いてきた小島正樹になぜまた枷をはめようとするのか。
出版社が何をしたいのかはよくわからず、作者はこれまでの作風を封印して地味な中編どまりと、実に物足りない一冊であった。
15.5.4
評価:★★☆ 5