~あらすじ~
1995年1月17日。阪神大震災の当日、N県警本部の警務課長・不破義人が消息を絶った。
栄転間近で、これまで何一つとして問題を起こさなかった人望厚い彼がなぜ?
震災の情報収集に奔走する傍ら、N県警の幹部らは不破の行方を追う。
05年このミス3位、文春3位
~感想~
横山作品名物のギスギスした刑事たちのやりとりと、ドロドロした暗闘だけで一冊描き切ってみせた。
それが面白いかどうかは個人差が激しいだろうし、題材に採り上げた阪神大震災は刺身のツマ以下の、あってもなくてもいいようなほとんど数字上だけの存在感で、肝心の謎は最後に出題者が出てきて答え合わせするだけと、いちいち物足りない。
冒頭、主要キャラたちの出勤前の朝の様子を描くだけでそれぞれの個性を際立たせる手管など実に素晴らしいのだが、言ってしまえば小手先の技術だけで一冊ものしたような、その気になれば短編で描けたものを、わざわざ長編に水増ししたに過ぎない印象さえ受けてしまった。
作者の他の傑作群と比べれば、何段も落ちる凡作である。これがこのミス・文春W3位ねえ……。
15.5.6
評価:★★☆ 5
1995年1月17日。阪神大震災の当日、N県警本部の警務課長・不破義人が消息を絶った。
栄転間近で、これまで何一つとして問題を起こさなかった人望厚い彼がなぜ?
震災の情報収集に奔走する傍ら、N県警の幹部らは不破の行方を追う。
05年このミス3位、文春3位
~感想~
横山作品名物のギスギスした刑事たちのやりとりと、ドロドロした暗闘だけで一冊描き切ってみせた。
それが面白いかどうかは個人差が激しいだろうし、題材に採り上げた阪神大震災は刺身のツマ以下の、あってもなくてもいいようなほとんど数字上だけの存在感で、肝心の謎は最後に出題者が出てきて答え合わせするだけと、いちいち物足りない。
冒頭、主要キャラたちの出勤前の朝の様子を描くだけでそれぞれの個性を際立たせる手管など実に素晴らしいのだが、言ってしまえば小手先の技術だけで一冊ものしたような、その気になれば短編で描けたものを、わざわざ長編に水増ししたに過ぎない印象さえ受けてしまった。
作者の他の傑作群と比べれば、何段も落ちる凡作である。これがこのミス・文春W3位ねえ……。
15.5.6
評価:★★☆ 5