小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『誘拐者』折原一

2022年04月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
生後間もない赤ちゃんが誘拐され、残された夫婦を次々と襲う不幸。
20年後、写真週刊誌に偶然載った男の素性を問う手紙から全てが動き出す。

1995年文春9位

~感想~
あらすじは置いといて混じりっけなし100%のいつもの折原一作品。
折原一ファンが想像するままの折原一成分がそのままお出しされる天然果汁。背後から殴られて気絶する人々、都合よくピンポイントで忘れる記憶喪失、一般人が急にとんでもない暴言を吐いたり無軌道に罪を犯す地味に悪い治安、あってもなくてもいいけどあればうれしい叙述トリック、殺人犯から被害者へのインタビュー、「や、やめろ、やめてくれ(談)」と盛りだくさん。
読んでいて随所で覚える、俺たちの想像する折原一作品をそのまま具現化されたような夢見心地感、もしかして昔に読んだのを忘れてるのかもしれない感が不思議。
きっと積ん読の何冊かを読んでも寸分たがわぬ同じ感想を書くに違いない。また折原一が読みたくなったら読むとしよう。


22.3.2
評価:★★★ 6
コメント