~あらすじ~
三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。
民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は家業の手伝いに精を出す夏休みを送っている。
そんなある日、響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった。
その三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が。
墜落した男は「猫とナイフ」事件に関わりがあるようだが……。
真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する。奇妙な事件に奇矯な人々、そして猫・猫・猫……のコージー・ミステリ。
~感想~
猫づくし。
といっても猫が謎を解く猫ミステリではなく、主役はあくまでもキャラの立ちすぎた人々。
ほのぼのとした筆致ながら、起こる事件や動機はよく考えてみるとグロかったり重かったり。そのあたり決してほのぼのだけでは終わらない、作者の腕が冴える。
最後は大団円にまとまりながらも、解決したようなしてないような、割り切れない思いもどこかに残る。物語もトリックも、作品を支えきれるだけのものではなく、キャラと設定だけで描ききったような印象。
しかしそのキャラと設定がたいへんに魅力的で、作品世界に身を委ねることが心地よい。続編があるのならば心待ちにしたい。
本格ミステリとはほど遠いものの、心に残る一作でした。
06.8.1
評価:★★★ 6
三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。
民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は家業の手伝いに精を出す夏休みを送っている。
そんなある日、響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった。
その三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が。
墜落した男は「猫とナイフ」事件に関わりがあるようだが……。
真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する。奇妙な事件に奇矯な人々、そして猫・猫・猫……のコージー・ミステリ。
~感想~
猫づくし。
といっても猫が謎を解く猫ミステリではなく、主役はあくまでもキャラの立ちすぎた人々。
ほのぼのとした筆致ながら、起こる事件や動機はよく考えてみるとグロかったり重かったり。そのあたり決してほのぼのだけでは終わらない、作者の腕が冴える。
最後は大団円にまとまりながらも、解決したようなしてないような、割り切れない思いもどこかに残る。物語もトリックも、作品を支えきれるだけのものではなく、キャラと設定だけで描ききったような印象。
しかしそのキャラと設定がたいへんに魅力的で、作品世界に身を委ねることが心地よい。続編があるのならば心待ちにしたい。
本格ミステリとはほど遠いものの、心に残る一作でした。
06.8.1
評価:★★★ 6