小金沢ライブラリー

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先月のNXT #330  笑いも取れる中邑真輔

2016年05月16日 | 今週のNXT
オースチン・エリーズ ○-× アンジェロ・ドーキンス
(ローリングエルボー)

今回はいつものフルセイル大学ではなく、レッスルマニア(WWE年間最大イベント)の宣伝会場からの放送。
納豆をかき混ぜているようにしか見えない謎の仕草を交えつつ、体格で勝るドーキンスが優勢に試合を展開。
しかしコーナーに自爆させるとエリーズが一気に反撃に転じ、強烈な打撃を連発するとエルボーでとどめを刺した。


アレクサ・ブリス ○-× テッサ・ブランチャード
(バク転ダブルニードロップ)

初登場のテッサはかの伝説的ユニット「フォー・ホースメン」で知られるタリー・ブランチャードの娘。まだ20歳でプロレス歴も2年と浅いが2世レスラーらしいセンスの良さを随所に見せ、単なるやられ役ではない戦いぶりだったが、最後は首をつかんで叩きつけるというただの乱暴からニードロップを喰らいアレクサに敗北した。


ジョニー・ガルガノ&トマソ・チャンパ ○-× ボードビレインズ(エイダン・イングリッシュ&サイモン・ゴッチ)
(前転アームバー)

まずはガルガノ組が独創的な技でビレインズを翻弄。ガルガノが隙をつかれ左腕をロープに叩きつけられ敵陣に閉じ込められるが、グダグダな流れで抜け出すとチャンパが大暴れ。イングリッシュを痛めつけ場外に落とすと、そこにガルガノがサマーソルト・プランチャで追い打ちし、残ったゴッチをチャンパが関節技であっさり仕留めてしまった。
一軍昇格も果たしたビレインズを、フリー契約のガルガノ組が倒すとは意外だった。


バロン・コービン ○-× タッカー・ナイト
(エンド・オブ・デイズ)

ナイトはクリス・ジェリコの着ているラメ入り銀色ジャケットを1ケタ安くしたようなものを羽織り登場。
コービンに意外と機敏な動きで反撃し、ドロップキックやルー・テーズ・プレスを浴びせたが、かえってコービンを怒らせただけに終わり必殺技であっさり仕留められた。


ベイリー ○-× リヴ・モーガン
(ベイリー・トゥ・ベリー)

ベルトを失いかえって一軍昇格が秒読みとなったベイリーは客席からの大声援を受けながら軽快に技を決める。
対するリヴはマトリッシュ他、見覚えのある技をいくつも大胆にパクりながら対抗するが、決め手を欠きいきなり必殺技で投げられ完敗した。


中邑真輔 ○-× タイ・デリンジャー
(キンシャサ)

死ぬほどかっこいい入場曲で登場した中邑は、渡米2戦目にしてジェスチャーだけで客席を沸かせるわ笑いは取るわ米国ファンの心をわしづかみ。
隙をつかれスーパーキックを被弾し、攻め込まれる場面はあったが、虎尾で反撃すると、膝と蹴り技のみで翻弄し、強烈なキンシャサでとどめを刺し、試合後には観衆とイヤァオ!を唱和した。
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ミステリ感想-『Wの悲劇』夏樹静子

2016年05月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
一条春生は家庭教師をしている女子大生の和辻摩子に卒論の手伝いを頼まれ、別荘に招待される。
ところが大企業の会長である摩子の祖父・与兵衛を筆頭に一癖も二癖もある親族らが集まる中、摩子が与兵衛を刺殺してしまう。
一族の名誉と摩子を守るため、居合わせた人々は一致団結し強盗による犯行を偽装するが……。

82年文春4位、東西ベスト(1985)75位


~感想~
倒叙形式で犯行が描かれ、名刑事の捜査により1つ2つとミスが露見していき……という流れから、後半は一気に物語が引っくり返る。
そのまま行けば中編程度でまとまるところ、意外な展開から事件が反転していく様は実に巧みで、エラリイ・クイーンのX・Y・Zの悲劇を向こうに取り第四の「Wの悲劇」と銘打っただけはある、いわゆるプロット型本格(…でいいんだよな?)の秀作である。

ここからは余談だが、薬師丸ひろ子が主演し出世作となった映画版の詳細をwikiで調べ唖然とした。
作品の根幹をなすある部分を「封建社会じゃあるまいし」と一刀両断し、本編を単なる劇中作に押し込んで、薬師丸ひろ子演じる若手女優の青春物語に仕上げた……ってこれWの悲劇でもなんでもないですやん。
映画自体の出来は相当に良かったようだが、原作者の夏樹静子も「劇中劇になっていてあぜんとした」と後年に述懐するほどの暴挙で、2012年に武井咲の主演でドラマ化された際にもなぜか摩子には瓜二つのそっくりさんがいて春生はアラフォーという謎の改変がなされ、今も昔も映画・ドラマ・アニメ等の映像媒体の原作に対する扱いの悪さ、愛と敬意の無さは酷いものだと、改めて思った次第。


16.5.12
評価:★★★ 6
コメント (2)

今週のキン肉マン #168 消えゆく者!!

2016年05月12日 | 今週のキン肉マン
・サンシャインが首領格なのは勝手に名乗ってたんじゃなくて将軍様のお墨付きだった
・読んだら次のコマで出てくるブラックホールはどこまでも便利
・ネメシスも武道も止める間もなく行った
・「フン」でモニターに映像を出せる将軍様すごい
・この異常なまでのスピード感が今回の肉の良い所
・最初に友情に目覚めたサンシャインは健在だった
・あのシュールな消え方は本番も同じなのかww
・武道がじたばたせず何もかも受け入れるように目を閉じたのが良いね
・閻魔さんにすらナイショはキラッ☆のポーズ
・ダンベルはめただけで終わったww
・とはいえこの展開は予想できなかった
・次回サイコマン最後の株爆上げタイムにご期待ください
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先月のNXT #329  ストロングスタイルがやってきた

2016年05月11日 | 今週のNXT
今回は特番のハイライトを交えつつ試合後のアメリカン・アルファ、ベイリー、オースチン・エリーズ、フィン・ベイラーのインタビューを放送。
試合は特番で放送カットされた1試合だけとなった。


アポロ・クルーズ ○-× エリアス・サムソン
(ブルーサンダーボム)

テンションの高い客席は勝手に盛り上がったが、別に特番でやることもない普通の試合をクルーズが普通に勝利した。


番組の最後にはメイン戦や他のタイトル戦を差し置き中邑真輔のデビュー戦のハイライトが流され、試合後のインタビューでは通訳のフナキを押しのけ中邑は英語で「ストロングスタイルがやってきたぜ」と言い放った。
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ミステリ感想-『家庭用事件』似鳥鶏

2016年05月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
印刷したら正反対の意味になった契約書、安価なのに盗まれた弓道の的、電力オーバーしていないのに落ちたブレーカー、すり替える隙が無かったのにすり替えられた荷物、ぬいぐるみ入りでバッグを返してくれた引ったくり。
市立高校に通う葉山君が巻き込まれる5つの事件。


~感想~
いつの間にか表紙絵の担当が変わり、市立高校シリーズと安直な名前を付けられたシリーズ第六弾。市立高校が舞台なら全部市立高校シリーズになるのに。あと既刊の表紙も全部一新されたんだが誰だお前ら。そもそも本文のどこにもメガネっ子と書かれてなかったとはいえ俺達の柳瀬さんからメガネを奪うなんてこいつはメチャゆるさんよなあああ!?

 ※クリックで拡大

それはともかく前作「昨日まで不思議の校舎」の感想でMMK(モテてモテて困っちゃう)葉山君の快進撃はもう次回作では人妻や実妹あたりも籠絡するんじゃないかというくらいのToLOVEるっぷりで、留まるところを知らない、と書いたのだが、本作のメインヒロインはまさにその実妹である。葉山君恐るべし。
恐ろしさはそれだけではなく、ただでさえ自分自身もヒロイン属性てんこもりの葉山君にさらに料理上手・家庭の料理担当・伊神さん宅に出張料理イベントフラグ成立と属性を上乗せしつつ胃袋をつかみにかかり、とどめとばかりに逆説的にイケメン設定まで確定した。歴代最強ワトソンなんじゃないのこいつ。

余談ばかりで内容に触れていないが、いつもながらにミステリとして成立しうる限界に挑戦するようなしょぼいトリックを、神出鬼没で出題と同時に解決する伊神さんの推理パートだけで強引に作品として成り立たせつつ、5話目で大仕掛けを炸裂させる、連作形式でのパターンを踏襲してきたのはさすがである。
肝心要の大仕掛けはあからさまな伏線が次々と目に留まり、個人的には真相開示のだいぶ前にトリックに気づいてしまったが、シリーズ作品であることを逆手に取った大胆不敵かつ作者曰く「本格と社会派の融合」な細工は素晴らしく、またその題材に採られたある設定が非常に良く描けていて、これも個人的にはいたく感心した。

ハルチカシリーズに続けと期待していたアニメ化はこれでまた遠のいてしまった感が強いが、やはりこのシリーズはなぜか1作おきに良作が来るので、次回シリーズ第七弾はミステリパートにはあまり期待せず、葉山君の人妻籠絡と今回全く出番のなかった後輩のあの娘の登場を楽しみにしたい。


16.5.8
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『チルドレン』伊坂幸太郎

2016年05月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
人質にお面を着けさせる銀行強盗、長年の確執から謎の和解を遂げた父子、2時間まったく動かない公園の人々、夫婦の離婚問題と父子の確執をまとめて解決する方法、不審な様子の友人……。
音楽青年と家庭裁判所の相談員、盲目の青年と彼女と盲導犬。彼らを取り巻く5つの謎。

04年このミス16位、文春5位、日本推理作家協会賞(短編)候補、直木賞候補、山本周五郎賞候補


~感想~
連作短編集で、言うほど読んでないが伊坂幸太郎がここまで明確に日常の謎系ミステリを志したのは珍しいのではなかろうか。
1~2話目の段階では油断していたこともあり、予想よりも遥かにミステリミステリしたトリックに足元をすくわれ驚かされたものの、注意深く読み始めた3話目以降は、謎の提示どころか問題が出されるより先に真相が見えることもしばしば。
ミステリとして驚きたければ何も考えずに読むのが吉だが、癖の強い作者にしてはきわめて平易に物語を描き、政治臭も全くと言っていいほど感じさせないほど薄めた、非常に取っ付きやすい万人向けの作品なので、わざわざミステリとしてのサプライズを期待するまでもない。
以前「死神の精度」を伊坂初心者向けと勧めたが、本作はより伊坂ビギナー向けで、しかも伊坂アンチでも高確率で楽しめるだろう良質な短編集である。


16.5.3
評価:★★★★ 8
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2.「ガリレオとか新参者はドラマで観たよ」層へのミステリガイド-2

2016年05月07日 | 初心者ミステリガイド
STEP 2 宮部みゆきを読もう

宮部みゆきは「新宿鮫シリーズ」で知られる大沢在昌をして「この世に作家は二種類しかいない。宮部みゆきとそれ以外」と言わしめた国民的作家で、こちらもハズレはまず書かない。

 

文庫版で4冊の「模倣犯」と6冊の「ソロモンの偽証」はそれだけの文量を全く飽きさせずに読ませるだけの筆力と、息もつかせぬストーリー展開で、現在の日本で一番上手いミステリ作家だと個人的には思っている。

取っ付きやすいのはデビュー作でもあり警察犬の視点で語られる短編集の「パーフェクト・ブルー」や、発火能力者を主人公にしたSF「クロスファイア」、ドラマ化もされた「名もなき毒」あたりか。

時代小説やゲームのノベライズからファンタジー小説まで幅広く手がけ、ノンシリーズ物の長編・短編も数多く、何を読んでもそうそう外れないので、あらすじを見て面白そうなものを適当に選んでもいいだろう。
そして気が向いたらぜひ超傑作「模倣犯」と「ソロモンの偽証」に取り掛かってもらいたい。
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2.「ガリレオとか新参者はドラマで観たよ」層へのミステリガイド

2016年05月06日 | 初心者ミステリガイド
STEP 1 東野圭吾を読もう

ベストセラーというものは往々にしてつまらない作品が多いが、こと本格ミステリというジャンルにおいてはベストセラーはだいたい面白い。
中でも作品を出すたびにベストセラーになるような東野圭吾と宮部みゆき、この二人の作品には基本的にハズレはない。



ドラマ「新参者」や「ガリレオ」でも知られる東野圭吾は説明不要の「容疑者Xの献身」で直木賞を獲り国民的作家となって以来、変に持ち上げられて「読書家を名乗る人の本棚にだいたいある」とか訳のわからないことを言われ、村上春樹と同列視すらされかけているが、単なるエンタメ作家である。
面白い面白いと一息に読み終えて後になんにも残らないような生粋のエンタメ作品ばかりで、読んで損をすることはほぼ無い。
ノンシリーズの単発作品も多いので、好きなのを読めばいいだろう。
ただし「ガリレオシリーズ」は科学現象を映像として見せてくれるドラマ版のほうが個人的には面白いと思う。
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