小金沢ライブラリー

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6/7のNXT #396  ヒデオ・イタミ迷走中

2017年06月16日 | 今週のNXT
ヘビーマシーナリー(タッカー・ナイト&オーティス・ドーゾビッチ) ◯-× ラーズ・サリバン&ビクター・アンドリュース
(コンパクター)

ディラン・マイリー改めサリバンはナイトと互角以上に渡り合うが、優勢と見て交代したアンドリュースは手も足も出ずマシーナリーにいたぶられ、最後は重機にちなみコンパクターと名付けられた合体アバランシュプレスで圧殺された。

試合後、サリバンはアンドリュースを痛めつけうっぷん晴らしした。


・ロデリック・ストロングとボビー・ルードが対峙

ストロングがNXT王座への意欲を語っているとルードが現れ対峙した。
ヒデオ・イタミはヒールターンしたためNXT王座へのリマッチは無い模様。


ペイトン・ロイス ◯-× サラ・ローガン
(フィッシャーマンズスープレックス)

サラはドブソン→ブリッジスを経てローガンに改姓。
頭突きやニーパットといたラフファイトで抵抗したが必殺技で仕留められた。


オニー・ローキャン △-△ ヒデオ・イタミ
(ノーコンテスト)

やけに衣装のよく似た両雄が対決。ローキャンは早々に必殺技のブロックバスターを浴びせ、トップロープから場外へのサマーソルトプランチャも命中させるが、脚を負傷したフリからのせこい不意打ちでヒデオが逆転。
go 2 sleepを喰らわせたが、NXT王座を逃がしうっぷんの溜まったヒデオはそれで満足せず、さらに2発を追加。
4発目に入ろうとしたところでカシアス・オーノが制止に現れる。口論からオーノに突き飛ばされると、ヒデオは鬼の形相でリングを後にした。


ノー・ウェイ・ホセ ×-×◯ キリアン・デイン
(アルスター・プランテーション)

SAnitYに襲撃され特番を欠場したホセは、おちゃらけムーブを封印して打撃戦を挑む。
だが敵うはずも盛り上がるはずもなく、静かな会場の中で片翼の天使に葬られた。
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ミステリ感想-『小暮写眞館』宮部みゆき

2017年06月14日 | ミステリ感想


~あらすじ~
高校生の花菱英一の変わり者の両親は、潰れた写真館を外装そのままに新居に建て替えた。
すると写真館が再開したと勘違いした女子高生が、ここで現像されたという心霊写真を英一に渡し……。

2010年このミス8位、文春7位


~感想~
作者得意のSF的要素として今回は心霊写真が登場。あらかじめ断っておくと、ミステリ的なトリックの凝らされたものではなくマジモンの心霊写真であり、それに応じた解決がもたらされる。
全体として見れば特にこれといった長所があるわけではなく、あっと驚く意外な展開や目を見張るような謎もトリックもない。地道な聞き込みと、交友関係を活かした情報網による、英一の心霊ハンターさながらの活躍もあまりに地味過ぎるのだが、しかし宮部みゆきの手にかかれば物語そのものが実に面白く、ページをめくる手が止まらない。
脇を固める面々は一人残らずキャラ立ちし、そしてごく一部を除き掛け値なしの良い人揃い。そのごく一部が出る作品を間違えているんじゃなかろうかというレベルのゲス野郎ではあるのだが、最高のラストシーンとあいまって読後感はきわめて良好である。

心霊ハンター第一話から、まさかの続編となる第二話。そして期待通りの第三話で変化球を投じ、最終話はミステリからも心霊からも猛ダッシュで離れていくのはちと残念ながら、三年間の軌跡と英一の成長譚、なによりも花菱家の物語の決着としては素晴らしいもので、文句のあろうはずもない。
読了後、巷間よく囁かれる作中人物との別れを惜しむ気持ちに珍しく駆られた。続編は無理としても外伝的な短編集など出してくれないものだろうか。


上巻 17.6.9
下巻 17.6.13
評価:★★★★ 8
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5/31のNXT #395  放送できないヒデオ・イタミ

2017年06月13日 | 今週のNXT
・トマソ・チャンパが演説

特番後にジョニー・ガルガノを裏切ったチャンパが大ブーイングの中で長広舌を振るった。
だが松葉杖をついており、せっかく大々的にヒールターンしたが故障のため長期欠場が見込まれている様子。


ピート・ダン ◯-× ダニー・バーチ
(パンプハンドル・パーフェクトショット)

どんどん扱いの良くなっているバーチはとうとう試合前にこれまでの活躍シーンが流された。未勝利でロスターでもないのに。
健闘どころかむしろUK王者のダンを圧倒する勢いで試合を支配し次々と技を決めたが、ジャーマンでコーナーに叩きつける荒業から必殺技につなげ、ダンが辛くも勝利した。


アンドラーデ・シエン・アルマス ×-◯ セザル・ボノーニ
(スモールパッケージホールド)

アルマスはゴングと同時にドロップキックをぶちかますと、すかさず串刺しWニーにつなげ試合を支配する。
その後もさんざんいたぶり続けたが、ブレーンバスターをスモールパッケージホールドに切り返したボノーニに3カウントを奪われてしまう。
入場シーンすらカットされたボノーニのプッシュが始まったわけではなく、アルマスの連敗ストーリーが組まれたのだろうか。


・ヒデオ・イタミ大荒れ

特番でNXT王座に挑戦するも敗北したヒデオが控室で大荒れ。
なだめるカシアス・オーノに日本語で延々とピー音が掛かる罵声を浴びせ、居合わせたフナキをドン引きさせた。
全セリフが消されていたが、ストーンコールドだってそこまで放送禁止用語を連呼しないぞw


ロデリック・ストロング&カシアス・オーノ ◯-× エリック・ヤング&アレクサンダー・ウルフ
(ガットバスター)

セコンドについたキリアン・デインの介入からSAnitYがオーノに代るがわる暴行を加える。
ストロングに交代すると猛反撃されるが、ブラインドタッチからの不意打ちでヤングがストロングを羽交い締めに捉える。
しかしヤングはデインにリングに入れと命じるが、デインはエプロンまで連れてこいと口論するうちに、ノー・ウェイ・ホセが現れデインを引きずり落としてしまうと、ストロングは特番と同じ新必殺技を叩き込み、ヤングから連勝を収めた。
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5/24のNXT #394  片足ヤクザ

2017年06月12日 | 今週のNXT
アリスター・ブラック ◯-× カート・ホーキンス
(後ろ回し蹴り)

今回は特番の残り試合を放送。
2週前に一軍の番組Main Eventにゲスト参戦し、ホーキンスを倒した因縁から組まれた一戦。
秒殺決着かと思われたが、ホーキンスは場外に逃げ出すと小ずるい不意打ちから反撃。
しかし結局は怒りを買っただけで一蹴された。


ベルベティーン・ドリーム ◯-× ロバート・アンソニー
(ダイビングエルボードロップ)

初勝利を上げたばかりのパトリック・クラークがベルベティーンとして再起。キャラ的にはより派手になっただけで特に変わっていない。
対するアンソニーはインディーで多数の王座歴を誇る強豪だが、契約外のためここでは引き立て役。
ベルベティーンが軽快な動きを披露し、高度のある必殺技で快勝した。


ドリュー・マッキンタイア ◯-× ウェズリー・ブレイク
(ショットガンキック)

序盤からパワーの差を見せつけられたブレイクは、腕責めに活路を見出し、腕ひしぎ十字やクロスフェイス、腕へのコードブリーカー等のここまで使わなかった技を次々と披露。
しかしコーナーの攻防からマッキンタイアは宙吊りのままフロントスープレックスでトップロープからブレイクを投げ落とすと、必殺技でケリを付けた。
クレイモアという技名はまだ使われないが、代わりにシングルレッグ・ヤクザ(キック)と呼ばれていた。
片足ヤクザって何その昔の三池崇史作品みたいな名前。
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SCP-721~730

2017年06月09日 | SCP紹介
SCP-721 - Factory Toys (ファクトリーのおもちゃ)
見分けの付かない3種類の金属製の円筒。片面が網で覆われておりそこに血を垂らすとそれぞれ、1.垂らした者(以下、対象と記す)の周囲の人物の思考が聞こえ、また対象の思考も周囲に聞こえる。2.紙やDVD等に対象の思考を文字や絵、映像として描ける。3.対象の体温が毎分ごとに摂氏0.3度上がる。のいずれかが起こる

SCP-722 - Jörmungandr (ヨルムンガルド)
グリーンランドの氷河に棲む大蛇。洞窟内で休眠中で全長は8~12kmと推定され、未知の毒素で外敵を排除する。接近しただけで確実に死に至らしめる毒素に手を焼き全容は解明できていない。休眠中で本来はEuclidに分類されるが、もし目覚めれば世界規模の脅威となるためKeterに分類された

SCP-723 - Aging Staircase (年経る階段)
イギリスの朽ちた教会の螺旋階段。上るごとに生物は急速に老化し、無生物は劣化や腐敗する。いったん上り始めた生物は指示を無視して上り続け老衰する

SCP-724 - Procyon stentor(ラジオアライグマ)
ある電波塔の付近に存在する8mほどの異常領域。周囲の電波塔が全て放送中で、信号がその領域に届いている間に、領域内に入ったアライグマはラジオ波を受信し、放送内容をしゃべり始める

SCP-725 - Parrot Whale (オウムクジラ)
ザトウクジラに良く似た生物。あらゆる音や声を正確に記憶し模倣することが出来る

SCP-726 - Reconstructive Maggots (再構築蛆虫)
蛆虫そっくりの生物。死肉を食べ生きている組織を吐き出し、いつの間にか増殖していき、死肉を生きている状態へ再構築させる。死体の一部からでも再構築できるが、生き返ったものは外見が元の生物なだけで、全てクロバエと同じ性質を持つ

SCP-727 - Hephaestus's Forge (ヘパイストスの鍛造場)
古代ギリシャの鍛冶工場に似た遺跡。内壁と天井は鎖に覆われ、立ち入った人間の四肢を鎖で拘束して操り、鍛冶仕事に従事させる。失神するか不確定な時間が経過すると解放され、四肢には重大な障害が残りトラウマを植え付けられる一方で異常な器用さを身につける。まれに巨大なオブジェクトを作成させようと試みるが成功したことはない

SCP-728 - The Forever Room (永遠がある部屋)
輸送コンテナ。ドアを閉じると内部では時間がランダムに経過する。時間は加速や減速はおろか逆行することすらある

SCP-729 - Marble Bath (大理石の浴槽)
大理石の浴槽。入浴者は自発的に浴槽から出ることはなく、次第に体組織が溶解していき、やがてスープ状になり、浴槽に吸収され消滅する

SCP-730 - Decerebrating Plague (伝染性除脳病)
哺乳類に感染するウィルス。胎児の高次脳機能だけを消滅させる。ある博士が食肉生産における知能を持つ生物を殺すという倫理的問題を解決するためにこのウィルスを開発したが、突然変異により職員に感染し被害が拡大した
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5/20のNXT TAKEOVER CHICAGO #393

2017年06月08日 | 今週のNXT
ロデリック・ストロング ◯-× エリック・ヤング
(ガットバスター)

急ごしらえで因縁を作られたストロングが、ゴング前に奇襲攻撃をかけSAnitYメンバーを排除。
勢いそのままにヤングに攻め込むが、ヤングは多彩な首責めで反撃。
中盤には場外でキリアン・デインが思い切りレフェリーの目の前でクロスボディをぶちかますがなぜか反則裁定は下されず試合続行。
ストロングは場外でヤングブラッド、さらにダイビングエルボードロップも浴びるがなんとかカウント2で返すと、的確にSAnitYメンバーの介入を阻止しながら、最後はブレーンバスターの体勢から両膝の上に落とし逆転勝利した。


UK王座戦
タイラー・ベイト ×-◯ ピート・ダン
(パンプハンドル・パーフェクトショット)王座奪取

実況には特にUKともシカゴとも関係ないがJRことジム・ロスが参加。またなんかくちゃくちゃ噛んでるw
たいていの投げ技をヒュージ・スープレックスと呼び、知らない技を見たまんまの名前(オーバーヘッド・バックブリーカー等)で紹介する適当な実況を日本語字幕で見られないのが残念。

ダンは指折りを交えたラフファイトを見せ、ベイトは何かというとわざわざリフトアップしてから投げ技を放ち怪力を披露。
スタンディングのシューティングスタープレスをダンにトライアングルスリーパーに捕らえられ、さらにエルボーとパンチを浴びるが、そのまま持ち上げて叩きつけ、長時間のエアプレンスピンで振り回す。
ベイトはまだまだ隠し持っていたNXT初披露の大技を次々と繰り出し客席から大歓声を引き出したものの、場外へのトペをそのまま地面に叩きつけられると、リングに上げられダンの必殺技を喰らい、フォールとベルトを奪われてしまった。


NXT女子王座3ウェイ戦
◯ アスカ × ニッキー・クロス × ルビー・ライオット
(低空ドロップキック)防衛成功

一対一になる場面はほとんどなく、三人での乱戦が続く。アスカはいつも通りに躍動し、ニッキーはリーガルカッターやエゴトリップといった先達の懐かしの必殺技を披露。しかしルビーはいまいちテンポが遅くついていけていない。
最後はニッキーのゴールデンルールをルビーがレッグラリアートに切り返したものの、カバー中にアスカが低空ドロップキックで二人まとめて顔を蹴り飛ばし、重ねて同時にフォールした。
しかしこの決着も実はカットが間に合っておらず、客席もさして盛り上がらないままで、いたって低調な内容に終始した試合だった。


NXT王座戦
ボビー・ルード ◯-× ヒデオ・イタミ
(グロリアスDDT×2)防衛成功

復帰からあっという間に王座戦にこぎ着けたヒデオは、グロリアスポーズをいきなりGTSに担ぎ上げルードをあわてさせる。
ヒデオが主導権を握り続け、優勢に試合を進めたものの、場外で鉄階段に寄りかかったルードを狙ったドロップキックをかわされ、自爆したのが勝負の分かれ目となる。
足の痛みからGTSに行けず、逆にグロリアスDDTを被弾。これはダメージの深いルードのカバーが遅れて返せたものの、ようやく命中させたGTSは場外までルードを吹き飛ばしてしまいフォールを奪えず。
最後はGTSをグロリアスDDTに切り返され、念押しのもう一発も喰らい、王座に届かなかった。


NXTタッグ王座ラダー戦
オーサーズ・オブ・ペイン(エイカム&レーザー) ◯-× #DIY(ジョニー・ガルガノ&トマソ・チャンパ)
防衛成功

天井から吊るされた王座ベルトをラダー(脚立)を使い先に獲ったほうが勝ちとなるルール。
ちなみにエキサイティングプロレスだと隙あらばCPU側が速攻でラダーを立てベルトを奪うので難易度が高い。

DIYはペインを二人とも場外に落とし開始早々にチャンスを得るがゲームではないので流石に阻止される。
しかし入場口に設置された特大ラダーを調達し、以降はフェイスのDIYがもっぱらラダーを凶器に使いやりたい放題。
終盤、ガルガノ一人がラダー上に残り、他三人が倒れた絶好機を迎えるが、チームの危機に普段は指示を出すだけで試合にほとんど介入しないポール・エラリング御大が立ち上がり、それを阻止。ガルガノにすぐさまスーパーキックで蹴り倒されたが、その間にペインが復活。
ペインは倒れたチャンパにラダーで突きを見舞おうとするが、ガルガノが横から突き飛ばしてそれをかばう。
相棒の犠牲に奮起したチャンパは文字通りベルトに手を掛けたレーザーを捕らえ、ラダー中段からジャーマンでコーナーに立てかけられたラダーへ投棄。あまりの衝撃にラダーは真っ二つに折れた。
エイカムはラダーを首に掛けて振り回すラダー戦名物を披露するが、DIYは体勢を崩すとそこにスーパーキックとニーパットで挟み撃ちする必殺ツープラトンを喰らわせる。
これで勝負あったかと思われたが、DIYがベルトを手にした瞬間、ペインが蘇生しラダーを外すと、DIYの二人はベルトをつかんだまま宙吊りとなり、そこを捕獲され餅つきパワーボムで叩きつけられると立ち上がれず、ペインがベルトを手中に収め勝負を決した。

試合後、敗れたDIYに健闘を称える大歓声が送られたが、突如としてチャンパがガルガノを襲う。
放送終了を示す番組ロゴも出たのに続くのは珍しく、客席から悲痛の声がこだまする中、チャンパはステージ下の机にシュバインで自分もろともガルガノを投棄し、バッドエンドの幕切れとなった。
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5/17のNXT #392  タジリを彷彿とさせる普段着

2017年06月07日 | 今週のNXT
ドリュー・マッキンタイア ◯-× ショーン・マルタ
(ショットガンキック)

マッキンタイアはロックアップからコーナーに追い詰めてはわざと解放し挑発。
激怒したマルタは正面から殴り掛かり、飛びつき式のコードブリーカーも決めると、ロープに顔をぶつけたマッキンタイアの目の下が腫れ上がる。
しかし流血にも構わず頭突きでなぎ倒すと、豪快な必殺技で一蹴した。


・ロデリック・ストロングがSAnitYに襲われる

前回の放送終了後、ストロングが脈絡もなくSAnitYに襲われる様子が流された


ソーニャ・デビル ◯-× レイシー・エヴァンス
(シャイニングウィザード)

未勝利同士の一戦。ソーニャはMMAスタイルの打撃戦を、レイシーは体格と運動神経を活かした技を見せる。
最後はスピード感ゼロのシャイニングウィザードでソーニャが初勝利を上げた。
てっきりアスカが乱入してきて試合中止になると思ったがそんなことはなかった。


カシアス・オーノ ◯-× アンドラーデ・シエン・アルマス
(ローリングエルボー)

前半はアルマス、中盤はオーノが試合を支配。オーノがムーンサルトプレスを自爆しペースを乱すが、トルネード式リバースDDTをカウント1で跳ね返すと、すかさずブートとローリングエルボーで反撃。
アルマスも一発目のエルボーはダウンすらせず堪えたが、続く二発目を受けてあえなく沈んだ。


・ボビー・ルードが決戦前の演説

今回はルードのNXT王座に挑むヒデオ・イタミの足跡もVTRで盛んに流されたが、番組最後にはルードが現れ長広舌を振るった。
そこにタジリのWWE初登場を思い出させる超普段着のヒデオが割って入り、制止する警備員を蹴散らす。
ルードは隙を見て殴りかかったが、またもGTSで撃沈されてしまった。
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ミステリ感想-『妖異金瓶梅』山田風太郎

2017年06月06日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大富豪にして絶倫の西門慶を取り巻く、李瓶児、潘金蓮ら多くの妾たちと、愛憎渦巻く邸内で起こるいくつもの陰謀、殺人、暴虐の数々。
ある時、二人の妾が足を切られた上で殺害され、西門慶の親友にして幇間の応伯爵は真相を見抜くが、なぜか口をつぐみ……。

中国四大奇書に数えられる「金瓶梅」を作者が魔改造した空前絶後の連作短編集。

東西ベスト(2012)30位


~感想~
これはなんという麻耶雄嵩案件……ッ!!(逆です)
「山田風太郎はすごい。特に妖異金瓶梅はものすごい」という噂は届いていたが、噂以上の代物であった。
1話目で予感を覚え、2話目で確信し、3話目以降は恍惚に至る驚愕の仕掛けが施される。発表から60年を経た現在でもほとんど類を見ない、というか真似をすれば即座に「ああ、山風のアレね」と片付けられてしまう、他の追随を許さない前代未聞にして空前絶後のプロットで、作者は「探偵小説の仲間に入れてくれない(´・ω・`)ショボーン」と述懐しているが、60年前にこんなオーバーテクノロジーを見せられた探偵小説界の方こそ( ゚д゚)ポカーンだったことは想像に難くない。

また恐るべきプロットにばかり目が行くものの、各編の質も実に高く、密室、毒殺、首切りといった本格ミステリの要素をこれでもかとぶち込み、それぞれが「金瓶梅」という舞台ならではのトリックと、何より「妖異金瓶梅」という設定でなければ成立しない動機で彩られていることも驚異的である。
終盤には大きく物語が動き、破局を迎えるのも見どころで、それこそ「水滸伝」や「西遊記」といった他の四大奇書に列せられる大河小説を読み終えたような充足感すら覚えることだろう。
今さら読んだ身でこんなことを言うのも赤面の至りというものだが、それでもあえて言わせてもらえば、まさにミステリマニア必読の歴史的傑作である。

↓以下ネタバレ↓
角川文庫版の日下三蔵の解説が秀逸なため引用する。
「ミステリの意外性の要素として、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットの三つがよく挙げられるが、『妖異金瓶梅』の恐ろしい点は、途中からこのうちの二つを完全に捨て去って、それでもなおかつ意外性抜群の推理小説になっているところだ」
そうなのである。フーダニットとホワイダニットを完全に放棄しても本格ミステリは成立するのである。
読者は2話目から犯人も動機も丸分かりなのに、興味を失わずに読み続け、そして驚かされ続ける。こんな超絶技巧にお目にかかったのは久しぶりである。
そしてなんといっても特筆すべきは潘金蓮という稀代の名犯人にして名ヒロインである。本作の知名度がもっと高ければ、ミステリ界名犯人・名ヒロインランキングで1位を争うに違いないが、ヒロインはともかく彼女が犯人であることを明かせば、それだけで致命的なネタバレになってしまうのが残念。実のところ本作において「犯人は誰か」ということはきわめてどうでもいい話なのだが、事前にその情報を得ているかどうかで、初読時の驚きが多少なりとも薄れてしまうのは間違いない。
きっとこの潘金蓮をめぐるジレンマはミステリ界において未来永劫にわたり続いていくのだろう。


なおネタバレといえば角川文庫版は、中島河太郎御大は当然として日下三蔵の解説も、本作の魅力を語るためにやむを得ず大いにネタバレしているため、くれぐれも先に読まないよう注意を。


17.6.5
評価:★★★★★ 10
コメント (2)

5/10のNXT #391  ヒデオ・イタミがNXT王座挑戦へ

2017年06月05日 | 今週のNXT
アリスター・ブラック ◯-× セザル・ボノーニ
(後ろ回し蹴り)

初登場のセザルは2m近い素晴らしい体格を誇るブラジル人。ブラックの強烈な打撃にもかなり耐えたが、あごを撃ち抜かれると力なく倒れ伏した。


・エンバー・ムーンが負傷欠場

前回のバトルロイヤルでアスカに襲われ、トペの要領で場外フェンスに突っ込んだエンバーが左腕を負傷し、特番の王座戦はあえなく欠場となってしまった。


・ピート・ダンがUK王座に挑戦へ

NXT参戦で指折り・鼻裂き・口裂きと独特のファイトスタイルを見せたダンが、特番でタイラー・ベイトのUK王座に挑戦することが発表された。


#DIY(ジョニー・ガルガノ&トマソ・チャンパ) ◯-× ティノ・サバテリ&リディック・モス
(スーパーキック+ニーパット)

演説中のDIYにサバテリ&モスが割り込み、チャンパに殴られる。
急遽、試合が組まれるとチャンパが集中砲火を受けたが、ガルガノに交代すると一気呵成の反撃から必殺ツープラトンでチャンパがモスをフォールした。

さらにオーサーズ・オブ・ペインが現れると、GMのウィリアム・リーガル卿はDIYとのNXTタッグ王座ラダー戦を決定した。


NXT王座挑戦権争奪戦
ヒデオ・イタミ ◯-× ロデリック・ストロング
(go 2 sleep)

勝てば初のNXT王座挑戦となる両者は気合十分で、最後までどちらか一方にペースの傾くことのない互角の勝負に。
終盤には大技の撃ち合いになり、ヒデオの雪崩式ファルコンアローもストロングのアングルスラムも決定打にならず。二人とも必殺技にしていたショットガンキックも相討ちになるが、ヒデオが一瞬の隙をつき串刺しブートから串刺しドロップキックを決め、それでも根性で立ち上がってきたストロングにGTSでとどめを刺した。
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5/3のNXT #390  新ディーバ祭り

2017年06月04日 | 今週のNXT
キリアン・デイン ◯-× ダニー・バーチ
(アルスター・プランテーション)

とうとう入場曲までついたバーチはてっきり秒殺されると思いきや長時間にわたり抵抗。打撃オンリーで健闘するも、片翼の天使で叩きつけられ完敗した。


ヘビーマシーナリー(タッカー・ナイト&オーティス・ドーゾビッチ) ◯-× リカルド・ワッツ&ヘクター・クンスマン
(合体アバランシュプレス)

ドーゾビッチが怪力でワッツとクンスマンを二人まとめて担ぎ上げ、その背中にナイトが飛び乗る合体技で、ワッツがフォールされた。


ヒデオ・イタミ ◯-× コナ・リーブス
(go 2 sleep)

試合前に話していたボビー・ルードに入れ知恵されたのか、コナはゴング前に襲撃し大ダメージを負わせる。
脳震盪を起こしたようにフラフラしていたヒデオだが、顔を足蹴にされると目を覚まし、猛反撃からGTSで一気に仕留めてみせた。


・ロデリック・ストロングの足跡 2

前回に続きロデリック・ストロングのこれまでの足跡や妻子を紹介。
VTRの後には次回にヒデオとのNXT王座挑戦権争奪戦が行われると発表された。


NXT女子王座挑戦権争奪バトルロイヤル

(アスカの乱入によりノーコンテスト)

※参戦者:ビリー・ケイ、ペイトン・ロイス、ニッキー・クロス、リヴ・モーガン、ルビー・ライオット、エンバー・ムーン、アリーヤ、サラ・ブリッジス、レイチェル・エラリング、ソーニャ・デビル、キンバリー・フランクル、レイシー・エヴァンス、ビクトリア・ゴンザレス、ビアンカ・ブレア、キャンディス・レラエ

メイシー・エヴァンス→メイシー・エストレラを経てレイシー・エヴァンスに落ち着いたレイシーが入場曲付きで真っ先に登場。当然のように初参戦扱いされるが、なんだそのマイナーチェンジは。
以下、初顔もかなり混じって試合開始。どうでもいいがサラだけアメリカのNXT情報ページに名前が載っていないので誰か追加してあげて欲しい。

まずは初参戦のビクトリアが横幅はナイア・ジャックスより小さいがナイアより2cmでかい185cmの体格を活かしてオージー組に攻め込むも、二人がかりで排除される。
オージー組はロープに宙吊りになって耐えるこれも初参戦のビアンカの髪をつかんで強引に落とし、しれっとエラリング姓に戻ったレイチェルがアリーヤに追放される。
リヴ・モーガンがエプロンで小競り合いするサラをドロップキックで落とし、オージー組がレイシーとダリア・ベレナト改めソーニャを投擲。
ルビー・ライオットがパワーボムを反転させてキンバリーを落とし、フリー参戦でジョニー・ガルガノの嫁のキャンディスがビリーに蹴落とされると、残りはおなじみの面々に。

やたら化粧の濃いアリーヤとリヴがニッキーに落とされ、エンバーがオージー組を続けざまに排除。
残り三人となり、エンバーがニッキーに必殺のフライング・スタナーを叩き込み、ルビーにも狙いを定めたが、そこにアスカが乱入しトップロープからエンバーを突き落としてしまい、あえなく試合中止のゴングが鳴らされた。
アスカはエンバーを場外に投げて頭からフェンスに突っ込ませると、ルビーとニッキーも蹴り倒し、意気揚々と去っていく。

GMのウィリアム・リーガル卿はアスカの蛮行に顔をしかめながら、この三人とアスカが4ウェイ戦で女子王座を争うと裁定を下した。
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