東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

世襲政治家論4

2012-12-27 11:31:59 | 国際・政治
行き場所が他に無い、ということもある。会社にも代議士の息子が数人いたが、どうしても注目され話題になる。プレッシャーになるものである。コネで入ったんじゃないかと言われたりする。

それやこれやでそういう人たちは大体途中で止めて行く。父親が代議士でかつ、企業のオーナーであれば、親父の会社で若くして役員になるなどのケースもあるようだが、少数である。

芸能人とか作家などで才能があれば別だが、結局娑婆の企業で平凡なサラリーマンでは落ち着くところがなくて、親父の秘書をして親父が引退したら代議士になる、という例が多い。




世襲政治家論3

2012-12-27 11:20:14 | 国際・政治
国会は松の廊下である。地方議会もそのイミテイション以外の何者でもない。

殿、殿中でござる、と一喝される。殿中法度という複雑怪奇なものがある。憲政も百年以上になると殿中ご法度も複雑怪奇になる。常識は通用しない。世襲政治家の「いいところ、つまり有利なところ」は父親なり母親から家庭にいるときから、松の廊下の渡り方を口を酸っぱくして教えられていることである。

初登院の日から堂々としている。世襲政治家は比較的当選回数が少ないうちからその振る舞いが堂に入って、マスコミの注目を浴びるのは、もっぱらそうして親から仕込まれた「殿中の礼儀」が身に付いているからである。

有力議員の子供が当選して早くから活躍を始めるのはそうした事情があるのである。

おたおたしていると、そうした当選一回の若造から「憲政の常道に反する」なんてしかりとばされる。


世襲政治家論2

2012-12-27 10:48:45 | 国際・政治
政治家が世襲する理由はいくつかある。

一つには後援会があるだろう。外国の例はよく知らないが、日本の場合後援会というのは地縁、血縁、腐れ縁によるものが主力だ。主義や主張を同じくするものが神輿を担ぐというケースはまずない。

明治維新の場合は主義、主張を中心とした集団だったろうが、現在の日本ではそうではない。後援会を作ることによって利益、利権を得ることも多いだろう。これは社会党でも同じだ。其の流れを汲む民主党などでも世襲議員が多いのは同じ理由からである。

要するに一家をもり立てていればいいことがある、という理由である。これが先代が死んだり引退すれば、選択肢として息子、夫人などの主の血縁者を立てて集団を守ろうとする理由である。

弔い合戦などとさも口当たりのいいことをいうが、要するに自分たちの集団を守りたい、後援会の力学以外の何者でもない。

結論を言えば、政治家本人の希望よりも後援会力学で世襲が行われるのである。これが見ず知らずの新人が候補になれば後援会などが応援する筈が無い。でもって、政党本部も便利、手間がかからない、等の理由から世襲候補を公認するのである。

これが祖父の代から後援会組織があると、当代が引退すると、次の人身御供を出せということになる。いままでじいさんの代から面倒を見てやったのになんだ、と怒られてしまう。



世襲政治家論1

2012-12-27 07:55:06 | 国際・政治
安倍内閣でもかなり世襲が多いらしい。世襲という概念そのものはニュートラルでいい、悪いとは別の問題である。

ここが同じ世襲といっても医者の世界とは全くことなる。医者の場合、世襲は悪である。知能の劣化、モラルの退廃は世襲医者に顕著に現れる。

医学の進歩は認める。医学は科学であることも認めてよろしい(しぶしぶであるが)。山中伸哉教授や最先端の探求者の成果には敬意を払っている。

しかし、プラクテイショナーのレベルでは世襲医者は非常に危険である。いわば知能の低いガンマニアが最新式の強力な武器をもてあそぶような世界である。

開業医はいうに及ばず、私大の大学病院などもきわめて危険である。町医者ではむしろ年寄りの旧態依然とした医者のほうば無難である。新しいことはやらず、昔ながらの穏やかな処方をしているぶんには副作用も少ない道理である。

政治家の世襲が多いのは日本の代議員政治が成熟期(別の言葉で言えば停滞期)に入っているからである。明治維新のときにはどうだったか。日本には大量に、国民の数に不釣り合いな数の世襲政治家がいたのだね。いわゆるサムライである。

その侍が明治維新を引き継いだからこれも世襲と言える。しかし、世襲政治家というよりかは予備軍であったわけだ。上士や家老と言われる人間が引っ込んで、指をくわえて下働きをしていた下級武士がしゃしゃり出た。

じゃによって、これは世襲とも言えるが、世襲とも言えない。とにかく、統治技術は知っているし、統治機構も熟知していたことは間違いない。民主党とは違ったわけね。