さて、昨日までのオリンピックでの日本選手の成績を見ると、本命視されていた選手が振るわず、新星が躍り出て驚かしているという状況ではないか。全部の競技を見ているわけではないが、相対的にはそんな風に総括できそうだ。
さてすでに優勝が決したソフトボール、中盤のサッカー、始まったばかりの野球の経過についての素人の感想である。団体球技ではチームワークが絶対であるがこれが監督にとっては難しいようだ。オリンピックやサッカーではプロの参加が認められて大分経つが、ようするに営利団体からの寄せ集めである。選手の力の凝集と言うか結集が肝心だが難しい。
招集された選手はてんでんばらばらの営利団体の大事な商品である。監督がよほどしっかりしていないとこれを纏めることは不可能だろう。現状で見ると野球の場合が一番弊害が出ているようだ。所有者の営利団体(球団など)は供出選手の使い方に口を出す。けがをさせるな、から始まって後半戦への顧慮から使いすぎるなとか色々と条件を出す。あるいは逆にせっかく出してやるのだから自分のところの選手は一番いいところで使えとか、勝手な注文を出す。監督が弱ければというはなしだが。逆に監督が所有者の意向を無視すれば所有者は選手の供出に応じない。
一番うまくいっていたのはソフトボールの監督ではないか。もう結論が出ているわけではあるが、優勝の背景には監督の力が大きい。一番不安なのは野球である。昨日の試合(七月二十八日)では、選手たちにやる気が感じられなかった。断っておくが、そう感じるのは視聴者の自由と言うか権利だからね、と予防線を張っておく。テレビを見ていて何度も消そうと思った。九回の逆転劇がなければあんなに詰まらない試合は無かった。野球の場合は監督が弱すぎるというか人が良すぎるというか。
思い出すのは第一回のWBCの監督だった王さんだろう。彼は球団、各選手に非常に気を使って各人各球団にまんべんなく個人的に手紙を出したと聞いた。選手をまとめるのに大変気を使った。非常なストレスだったらしい。それが彼のその後の胃がんの誘因になったらしい。
サッカーの場合も選手の所有者と監督の関係は同様な問題がある。かって、このブログでは日本人の監督では所有者たちに右顧左眄して選手をまとめられないから、外国人監督にしろ、と主張した。現に日本が最初のワールドカップに進んだのはたしかフランス人監督のもとでだった。
それを考えると、森安監督はよくやっている。もっとも日本選手の大部分は欧州のクラブに今では属しているから、彼らは日本の所有者よりも理解があるのだろう。