東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

アカデミックに6政治主導

2010-09-08 07:44:19 | 社会・経済

官僚制度の属性を考えよう。といっても当座の議論に関係したものに限定する。

官僚制度とは

1・オートパイロット、自動操縦装置である。前例が絶対。進路も、高度も、速度も変更しない。法律、条例は書かれた前例である。前例の凝り固まったものである。

2・無停電電源装置である。じゃによって政治が混乱し、停滞し、無政府状態になってもオートパイロットでしばらくは続くから目に見える国民生活の急激な破たんはない。これに国民はだまされる。

オートパイロットが有効なのは天候などの飛行環境が安定している場合である。燃料が十分にある場合である。

現在の日本は燃料が切れかかっている。急いで不時着できる飛行場を探さなければいけない状況である。

政治で言えば日本と世界の枠組みが固定していることだ。これは別に世界が平和であることが必要というわけではない。対立、紛争、抗争の構図が変わらないということだ。戦後のことでいえば東西冷戦という秩序があることである。

また、経済が拡大し続ける、つまり右肩上がりの場合である。あるいは安定水平飛行中である。

つまりそういう時代に深刻な問題を起こしていない官僚制度は変更を拒み、政治の介入を嫌い、自律的に膨張していく。それを賄うだけの経済のゆとりもある。

しかし、上記の環境が変化すれば、政治の強権で官僚制度を粘土のように最初からこねまわす必要がある。

如上から明瞭だが、冷戦終結までは官僚の自律肥大運動は高度成長で膨らむ経済を食い荒らしながらもなんとかやらせてもらえた。

冷戦が終わった時点で政治は総点検をすべきだったが、逆に不幸なことに、その時期に日本の政治はもっとも無力化した。不安定になった。小沢一郎というオニ餓鬼が自民党を飛び出し(小渕元首相との政争に敗れた私怨という)、連立政権という野合を繰り返し、自民党がそれを巻き返すために社会党と連立するという自滅的行為に出た。

冷戦がおわり、アメリカはつかの間正気に戻る。気がつくと、日本がアメリカ全土を買い占めかねないほど大きくなっている。ここに8年間のクリントン元大統領の日本潰しが始まる。これが面白いように成功した。日本側がちょうど政治的に不安定、無力化した時期とシンクロした。

そのころの日本は、アメリカにとって今のチャイナ以上の存在感があったのだよ。

政治思想を共有しない連立政権では安定は望めない。めまぐるしい政権交代では政治の優位は望みえない。その空隙を埋めるのが無停電電源装置たる官僚制度である。相対的に官僚の力が政治を上回る。

要約すると、官僚跋扈は小沢一郎の罪である。

おざわは小沢で自分が与党だった時には政治主導をしたと自負している。世話はない。金正日のように官僚を怒鳴り散らし脅しつけるのが政治主導だと思っている。官僚は小沢をだまして適当にあしらう。病原菌はますます潜航したわけである。

政策に関係する官庁の局長クラスの作業から党人が綿密な政策立案に携わり、その整合性やフィージビリティをチェックした上で政策実施に移すのではない。金正日のように思いつきで、官僚に強権で命令する。官僚はうわべは繕うがしわ寄せはすべて国民の生活にくる。