そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

矛盾も成長する中国

2007-03-01 | 中国

Photo_86 当時”最高実力者”とよく解からない肩書きのない表現で呼ばれた、中国の「鄧小平」が、今日の中国の経済発展の基礎となった「南巡講和」を発表してちょうど15年になる。

一般的には、改革開放思想と呼ばれる「南巡講和」は、経済的な側面ばかりが強調されるが、もう一つ大きな柱がある。共産党による一党独裁の堅持である。

南巡講和ではいわゆる「先豊論」と呼ばれる、先に豊かになれるものからなれば良いとすForbidden_city1る考え方である。中国は、未だ社会主義の初期段階のため、国営企業が未熟である。だから民間による企業の自由競争で、豊かになろうとしたのである。計画経済から市場経済へと大きく転換したのである。中国近代化路線の始まりである。

以来、中国は毎年10%前後の経済成長を成し遂げて今日に至っている。この間に、貧富の格差が異常なものとなった。都会と田舎、農業と商工業の賃金格差や、地域の経済成長の格差は驚異的なものとなってしまった。明日の食べ物もない人民から、世界を揺り動かすような巨万の富を抱えるものまで出現した。僅か15年で!

社会的な問題になっているのが自殺者の急増である。昨年は25万人もの自殺者がでた。それでも、比率としては日本より少ないかもしれないが、少なくとも社会主義を標榜する国家とは思えない数字である。その原因として、○失業、○貧富の格差、○官僚の腐Beijing_northeast 敗が上げられている。

九州では、「煙霧」と呼ばれる中国の、光化学スモッグが流れてきている。大気や河川などの水質汚染も止まることを知らない。犯罪の急増も、市場経済を無原則的に導入した中国が抱える矛盾である。

更に、もう一つの大きな問題「共産党による一党独裁」である。共産主義主義あるいは社会主義体制が崩壊した大 Xin_26030401060663375956きな原因の一つが、情報の非開示による自浄能力喪失である。一党独裁は、その矛盾の根源である。

チベットやウイグル族などの民族問題も、近代化経済の波に巻き込まれたままである。経済行 為としての社会的公平への制度導入と、政治体制としての民主化が早急に望まれるところである。中国は、足元を見直す時期に来ているといえる。昨日の株価の急落がその前兆でなければ良いと思っている。

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