現在、アメリカの最大の同盟国はオーストラリアであるといえる。イギリスがイラク派兵を減らす中、それを埋めているのがオーストラリアである。もうすぐ退任する、ブレアに代わって存在感を示そうとしているのが、イギリスの連邦国オーストラリアののハワード首相である。
日本の自衛隊を警備していたオランダが撤退する時に、これに変わった のもオーストラリアである。現在少数ながらも、東チモール、アフガニスタン、イ ラク、スーダンへと派兵している。まるでインド洋を取り囲むようである。
オーストラリアの首相として2番目の長期政権になった、ジョン・ハワードという男ははしたたかである。6者協議の結果を受けて、凍結していた北朝鮮との外交再開を即座に打ち出して、存在感をアピールしている。送金停止や北朝鮮船の入国禁止などの解除も行なった。
オーストラリアの経済制裁は、北朝鮮には有効に働いたようである。これで、日本の経済制裁は画餅に終わったといえる。
その一方で、中国との親密な関係維持は維持し、アメリカの「中国脅威論」に一線を画し ている。オーストラリアは、北朝鮮や中国を巡る場所では、アメリカと論を異にすることで、独自の存在感を示している。
今、場当たり的な外交、あるいはアメリカを追従する外交姿勢しか持たない日本は、このしたたかな外交を展開する国とEPA交渉を行なおうとしている。。
オーストラリアは、農産物の関税の完全撤廃を主張している。日本農業、食料に対して明確なビジョンを持たない日本が、押し切られるのが目に見えている。どんな条件を飲み込まされるのであろうか。