北朝鮮が、作業部会から席を立ってしまった。6者協議は北朝鮮だけのためのものである。18ヶ月前の合意をないがしろにして、核兵器を開発した(らしい)時点で、全てを元に 戻すべきであったのである。6者協議は、北朝鮮がいいだけ駄々をこねる場所になってしまった感がある。
まさか北朝鮮は、バンコデルタ銀行の金を回収するだけで逃げ得にはならないだろうと思う が、これまでの経緯を見ているとなりかねなくもない。高々松坂投手に一人に動いた金の3分の1程度に、窮しなければならないような国家の言い分、と言うよりわがままに翻弄される必要などない。
北朝鮮の後見人を自負していた、中国こそいい面の皮である。北朝鮮は、任期のなくなりつつあるブッシュに、大きなゆさぶりをかけているのである。それに応じてきた、6者は交渉を行なってきた担当者にも、判断できないような状況を提示して去って行った。
今後は、中国と韓国がなだめに入って再度交渉のテーブルに着くことになるだろう。が、こんなことが出来るようになったのも”核”におかげである。今後、どんなに交渉が順調に行ったとしても、北朝鮮が核を放棄することなどあり得ない。
国民を飢えさせる現体制を存続することで、国内矛盾を克服できるとは思えない。そのための6者協議であり、核開発である。言い換えれば、金正日体制を補完するための性格しか持たない、6者協議でしかないことがはっきりしてきた。
拉致家族には本当に気の毒だと思うが、こんな最貧国などかまう必要などないのである。 国連決議や経済制裁の意味をなくさせてしまったこうした協議会は、アメリカと中国のスタンドプレーにしか過ぎない。北朝鮮に修復能力が何処まであるか、見極める立場をとればいいのである。