イラク戦争が5年目に突入した。アメリカ政府すら失策を認める中、日本はこの戦争の支 持のための法案を通すつもりでいる。
いわゆるイラク特措法であるが、期限切れに際して日本政府は、この戦 争の正当性を譲ろうとはしない。これはイラクへ自衛隊を派遣する法案であるが、担当の久間防衛大臣ですら「間違っていた」と発言している。
自民党の中ですら、加藤紘一もと幹事長は「アメリカも誤りを認めたのだから、日本政府も認めるべきだ」と発言している。山崎拓前副総裁も同様の発言をしてい る。自民党内ですら、こうした意見が出てきている。冷静に考えると非常に常識的な発言であるが。
これに対峙するべきである、民主党の中には日本から東南アジアを経てインド、パキスタンから中東へと幅広い軍事ラインを主張する 派がある。この連中は、未だにアメリカに同情的ですらある。野党は何のためにあるのか解からない。
イラクは、今最悪の事態に陥っている。200万人にが祖国を捨てて、国外に脱出したとされる。スンニー派とシーア派を、シリアとイランが支援する中、北部のクルド人たちは国外からの同族の支援を得ながら着々と地保を固めている。アメリカはバクダッドなどで、武力による制圧を行なうしか能がない。周辺各国と交渉すら行なわない姿勢では、単にもぐら叩き的行為でしかない。
イラクの現状を作り出したのは、アメリカである。サダム・フセイン大統領が著しく人権を損うような政治をやってはいたが、治安に関しては現在と比較にならない。彼が弾圧を行なったり、特定の人たちの蓄財の加担したとしても、それは国内のことである。
元々、民族や部族を重んずる彼らに、国境を設けて国家を作り出したゲルマン人たちには、彼らを理解することが出来なかったのである。正確に言えば、ヨーロッパはこのことに気が付き、第2次世界大戦以降撤退したが、アメリカはイスラエル問題を抱え、経済的に軍事的に政治的に介入してきた経緯がある。
都会でぬくぬく育った安倍お坊ちゃまには、イスラム社会を理解できないのだろうが、イラク戦争を支援する自衛隊は、私たちの税金で賄われているのである。現状を正確に理解して、これ以上イラク戦争に加担するのは止めていただきたい。