「新憲法制度議員同盟」が新たに、民主党を取り込んで動き始めた。会長は、中曽根康弘である。この人は議員でない。この議員同盟には、議員でない方も元職として数人いる。この「議員同盟」の目的は、憲法9条の廃棄である。
民主党の鳩山由紀夫幹事長が顧問として、前原誠司副代表が副会長として招かれた。大臣としては、世間知らずの鳩山邦夫と右寄のお人よし高村正彦と、何度も問題を起こしている額賀征四郎が名を連ねている。
この人たちは、憲法を読んでいるのだろうか。99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務をおふ。」(原文ママ)とある。
国会議員、ましてや大臣が平和憲法を仇敵のように扱うことは、この条文に抵触している。彼らの行動は、明らかに憲法違反である。
このほか民主党から3名と、国民新党から亀井静香代表代行が顧問として、綿貫民輔代表が名を連ねている。総計で100名を超すこの人たちは、国会が空転する中何をたくらんでいるのであろうか。
次期衆議院選挙で、自民党が勝っても民主党が勝っても3分の2を超えることがない。つまり単独では、憲法に手を出せないのである。ここで浮上するのが「大連立」である。
憲法改正のためには、民主党などの右寄りの連中の協力が必要になる。こうした動きで、民主党が分裂してくれればもっけの幸いである。
ある政治評論家が、これからは大連立構想が何度も出ては消え、消えては出てくると予測している。思惑は、憲法の改正と、消費税である。政局として、政界の再編があることも予測される。
日本新党の出現以来、政界の再編が起きるたびに全体が右傾化する。戦争をすっかり忘れた連中が、陳腐なテポヂンに怯えて、軍隊を持つと国威の発揚になると考えているらしい。
我が国の平和憲法は、外交でも国民意識としても十分活用されていない。99条の存在を忘れているのであろう。ともあれ、民主党は憲法にたいするスタンスを持てない、危険な政党である。