今年になって、国連常任理事国が全てがインドを訪れた。5月にイギリスのキャ メロンが新任早々訪問している。11月にはアメリカのオバマ大統領が、200人以上の企業家を連れて行き、100億ドルの商談を取り付けている。中間選挙の敗北直後で、セールスマンと揶揄されている。
1 2月にはフランスのサルコジ大統領が訪印し、原発建設を取り付けている。12月になると、16日に中国の温家宝首相21日にはロシアのメドベージェフが訪 れている。歴史的に犬猿の仲だった中国が「パートナー」と表現しているし、冷戦時代からの盟友でもあるロシアは戦闘機を売り込んでいる。
これで国連常任理事国全てが、イギリスを除くと極めて短期間のうちにインドを訪問したことになる。しかも商談を取り付けているのである。インドは日本と同様に、国連常任理事国を希望しているインドは、ブラジルとともに当面のライバルである。これから常任理事を巡って、最も近い位置を占めつつあるのではないか。
中国に次ぐ経済成長を成し遂げているインドは、経済停滞の先進国にとって垂涎の的なのである。日本に遅れてほどなく長寿社会になる中国よりもさらに20歳も若い。インドと中国が世界を食べ始めたと言われている。後90年ほどでインドは中国に人口を超えるそうである。
21世紀は、中国とインドが巨大な人口を背景に世界を席巻するかもしれない。日本はインドとのつながりが弱い。アメリカのための防衛体躯が発表されたが、アメリカ一辺倒の依存体質は、日本の未来を保障することはない。