昨日統一地方選挙の後半戦が行われた。この選挙は、戦後全く問題がなく経過した地方の自治体で、変革を嫌う穏健な保守的なところが多い。最も身近な選挙で、通常は従来通りの結果になることが多いものである。
統一地方選前半と異なり、今年は何か異なることが多かった。北海道では、函館や滝川それに芦別市では現職が落選している。町村選挙でも、斜里や沼田町で現職が落選している。最も強いといわれる 2、3期目でも、現職が落選している。
全国唯一の財政再建市である夕張は、小泉チルドレンとはいえ元衆議院議員を、全国最年少の青年が破った。自民、公明、みんなの党の推薦で盤石であったはずである。少なくとも田舎の感覚では従来あり得ないことである。
今回の選挙から見えてくるものは、地方あるいは田舎も何かしら閉塞感を打破したい、積極的な力が働いているのではないかと思われる。従来は極めて保守的な人たち、変革を嫌う人たちが流れを変えたのではないか。
とりわけ夕張の投票行動を見て驚いた。30歳の若者を圧倒的に支持したのは、高齢者であった。60歳以上の7割が投票している。この人たちは、町を抜け出すこともできない、本当の意味で夕張のことを考えている人たちである。
福島原発を誘致したのも、原発が金を持ってくるからにほかならない。原発を望んだ人がいるわけがない。地方は産業が疲弊し金がなくなると中央におねだりして、事業を持ってきた。そのツケを存分に味わったのが、夕張である。
おねだりは、政治家であり官僚である。こうして誘致したひも付きわけあり事業は、結局は交付金など一時の金が底を尽くと、わけあり事業の撤退が起きて、更に地方は疲弊するのである。
こうしたことを目の当たりに見てきたのが、高齢者である。良い時も凋落した時も、彼らの目には焼き付いているはずである。
根拠の薄い、若者なら何かやってくれるだろうに、未来を託したのである。
更に無投票選挙が、議員も含め非常に多くなっているのである。なり手がいなくなった。名誉職として、何もしなかった議員連中がその存在意義を、かき消してしまったのである。どの市町村議員も、現在の半数以下に減らすべきである。