そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

揺れるリビア

2011-04-08 | 政治と金

 日本の報道が震災一色に染まっているが、カダフィが居座るリビア情勢は大きな展開を見せている。EUがついに空爆をしたのであるが、アメリカがこれに乗る気があるのかないのか、決断しかねるオバマが相変わらず、ダブルススタンダードである。

 何かと問題のあるカダフィであるが、この男がリビアにとって大きな障害になっていることは間違いない。しかし、独立国の他国が介入するのはどうも納得がいかない。イラクの再現になりかねないからである。

 EUは、カダフィ後の石油の利権のために動いているのであるが、イラクとアフガンの、ブッシュの失政の処理の最中にあるアメリカは巧妙に姿を隠しながら支援している。

 EUは一枚岩で反政府勢力を押しているのでもない。反政府側も、様々な思惑が交差している。民主化への表現方法も発信力も経験もない。アルカイダ系の勢力の台頭も伝えられている。

 中東、北アジアで起きている反政府民主運動も、様々な思惑が渦巻いている。目的も背景も一様でない。発端となったチュニジアでもその後の混乱は収まっていない。

 シリアやイエメンやヨルダンの動きも、反キリスト圏的であり微妙である。ドバイとサウジアラビアは王政である。民主的体制であるとはいえない。 ここで起きた民主化運動の鎮圧に、アメリカは何の手出しもしない。王政側がアメリカ寄りだからである。

 EUもアメリカも、民主化は大衆の声を反映しているから支援しているのでなければ、民主化を至上命題にしているわけでもない。自国に都合良い政権が成立することが何よりも優先的に支援しているだけである。

 カダフィに一部の理があるなら、独立国への政治介入の思惑が見えるからである。巧妙に軍隊を持たずに、親衛隊だけで固めていたカダフィは、意外と延命しそうである。彼の支持者も、一部の理のもとに抵抗するであろう。

 リビア情勢はこう着状態にある。リビア情勢の展開が、今後の中東と北アフリカの、欧米でない民主化への足がかりになるであろう。

 左のフォトアルバムにに<春の匂い>をアップしました。

コメント (1)
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