菅直人が「東日本震災復興構想会議」を立ち上げた。14名のメンバーを見ていると、キナ臭いことこの上ない。
議長の五百旗真氏は小泉純一郎に近く、議長代行の安藤忠雄氏は石原慎太郎に近い。かつて自民党政権内で処遇されていた人物が散見される。6月末には第1回の提言をしたのとのことである。
早速出てきたのが、震災増税である。いきなりジャブならまだしもカウンター攻撃である。増税の中身は見えないが、一旦増税するとどうなるかはっきりしている。NHKの世論調査によると、震災増税賛成32%、反対26%、どちらでもないが38%と、お人好し日本人の面目躍如たるところか。
復興構想会議から、原発は外されるようである。人災であるから別扱いになると言うなら解らなくもない。手がつけられないと言うのが本音だろうか。
早くも、復興バブルを目当てに企業が動き出している。この辺りに食らいついていると、当分食えるだろうと言うことである。
震災を手玉に政局を動かしているのが、菅直人である。復興の建前からは、野党も迂闊に反対できない。これを見越しての、このメンバーの選定である。震災がなければ、とうの昔になったが3月政局すら乗り切るのも危ぶまれた、菅直人である。
震災当初は、岩手出身で地元に絶対の支持がある、小沢一郎を復興特命大臣にとする話もあったが、菅がこれをもみ消した。今更党員資格をはく奪した政敵を、ひな壇に上げるような寛大さは彼にはない。
それに今回の、統一地方選挙の民主党の惨敗である。都知事選でも名古屋補欠選挙でも、候補すら立てることのできない政権与党である。通常なら彼はとの昔に失脚しているはずである。菅にとって、震災様々である。
そうした流れの延長上に、復興構想会議がある。震災を巧みに政局として取り入れ、延命に必死の菅直人である。