東日本大震災と名付けられた未曾有の大天災であるが、日本の今後を左右するような、大きな節目になると思われる。
報道はどこもかしこも、公共広告の内容に沿って、支えようとか繋がっているとか、一見甘い言葉で語られ続けている。あまりこうしたことには与したくはないし、従来は評価したくもなかったが、今回の大震災ですこし様子が違ったように思われる。
芸人のアホ番組が自粛している。これは今後ともそうであってもらいたい。節電を真剣に考えているようにも思われる。とりわけ首都圏の人たちは、柏崎に続く福島原発事故で、自らの使用する電力の在り方を考えるようになったように思われる。これは評価できる。忘れないで頂きたい。
芸能人やスポーツ選手が積極的に寄付やチャリティーを行っている。善意が人を動かす社会は評価されるべきである。平常時になってもそのことが続けばいい。
へき地が、日本経済にとって重荷であるようなふるまいを続けてきた、とりわけコイズミ改革推進の政治家や経済人に、今回の震災が反省の機会になればと思われる。
多くの場面で、無償のボランティアの活躍が目につく。経済効率ばかりを求めて、走ってきた日本であるが、戦後最大の災害で、何か変わればあるいはそのきっかけになればと思われる。
原発がなくなればその代替が必要とする論議は、本末転倒である。元々原発が代替案でしかなかったからである。代替案がここにきてようやく、矛盾に満ちた危険な施設であることに気がつけば、それは大きな意味を持つ。
農産物や海産物を作る環境や、働く人たちのことを少しでも考えるきっかけになれば、この震災は大きな意味を持つ。食べ物や飲み物の重要性と、環境がいかに大切かが解る契機になればと思われる。
この震災で、世界中の人たちが日本にエールを送っている。政治的な偏見で捉えることなく、純粋に受け入れるべきである。与野党対立を越えられない日本の政治屋たちの悪例が、障害にならないようにしたいものである。
この大震災はひょっとすると日本を変えられるきっかけになるかもしれないと思うのは、少々浮かれた評価であるか。