アメリカのバネッタ国防相は2日、イスラエルがイランの核施設をここ数カ月以内に攻撃する可能性があると、ワシントンポストを通じて見解を述べた。いやしくも、一国のしかも世界最大の国家で世界最大の兵力を持つ国が、平気である国がある国を攻撃する可能性について述べること自体が、異常である。
はたしてイスラエルがイランを攻撃するのであろうか。離れているイランを攻撃するには、空爆しかない。ここで思い起こされるのが、イスラエルが1981年にイランの核施設オシラクを、空爆し破壊したことを思い起こされる。フセインがフランスに依頼して建設中の、原子力発電所だった。本ブログで、4年前に問題にした。
http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20080723
ここには、アメリカとイスラエルの力の論理しかない。このオシラクオプションと呼ばれる空爆は、隠密裏に行われている。2年間に多分イスラエルが、攻撃したであろうシリアの核開発施設が破壊された。隠密行動である。
こうしてみると、今回のアメリカのイスラエルが攻撃するぞというアナウンスは、単なる陽動作戦でしかない。イランへの、アメリカからの脅しである。
アメリカは、アフガンイラクの侵攻に辟易している。先ごろ、選挙目的もあるが、オバマは太平洋、東南アジアへシフトすることを発表した。アメリカは、イランにもう関わりたくないのである。アメリカに代わる軍事的オペレーションが可能なのは、イス
ラエルである。そうした思惑で、国防相が発表したのである。
それでは、イスラエルのイラン核攻撃の可能性は少ないかといえば、オシラク空爆などに見られるように、結構現実的である。彼らに不条理などない。
今年はアメリカの大統領選挙の年である。こうした戦争は、国民から為政者は支持は得やすい。フォークランド紛争のサッチャーや、9.11以上のブッシュが良い例である。
イスラエルの、イラン核施設攻撃は脅しではあるが現実的でもある。