チベットでは今月になり、この1年間で22人目の焼身自殺者が出た。今月には若い女性も焼身自殺している。
中国政府は圧倒的な力で経済発展に貢献しないチベット民族を押え込み、漢族を大量に送り込んでいる。その一方で、鉄道を通し、観光客を呼び込み、レアメタルの発掘に力を入れている。
中華人民共和国が独立した時点では、チベットは併合されえていなかった。毛沢東が、ダライラマの印章を偽造して併合したことは知られた事実である。民族も歴史も宗教も全く異なるチベットは、一貫して独立を要求している。亡命した、ダライラマが高い自治権の要求にトーンダウンしてからも、中国政府の弾圧は収まらない。
善良で温厚な、チベット僧は彼らに非暴力の抵抗を続ている。焼身自殺は、なんとも胸を打つ哀しい出来事であるが、彼らのが精いっぱいの抵抗の手段なのである。
これ幸いなのが、中国政府である。焼身自殺者を見ていたものも連行される、徹底した情報管理と、人権を押え込む暴力行為である。
経済的に、ほぼチベットを掌握している。武力的にはさらに圧倒している。漢族はラサの町の多くの土地を収用し、地名の漢族化などの同化政策は着々と進行している。
これは、ウイグル地域も同じである。同じく地下資源を漢族は収奪して、漢族の同化を狙っている。漢語を話さなければ、就職もできない。漢人に従順でなければ、仕事もできない。町の中心街など重要な所は、漢族が抑えている。ウイグル族は、街にドーナツ状に住んでいる。
ウイグルに比べて、チベットはもっと悲惨である。焼身自殺はその象徴的な事件である。いっそ地下資源がなければ、漢族はここまでは圧倒しなかったのにと思われる。
地下資源については、東シナ海や南沙諸島に対する姿勢も同じである。こんな暴力国家となって中国は、何処に行くのであろう。