アメリカのイラク・アフガンの中東介入から、東南アジア太平洋地域へのシフトに伴って、沖縄の海兵隊のグアム移転の具体的な提案をしてきた。しかしグアム移転は、政権交代以前から検討されていた。
日本の思いやり予算が欲しいアメリカと、沖縄にとどめ置きたい自民党との汚れた関係から、だらだら普天間移転問題を引きずっていた。グアムの町長が、インフラの不整備などを理由に、ぎくしゃくしていたのである。
民主党政権が、いったん普天間の海外移転などを持ち出し、結局自民党案の辺野古移設に戻ったが、一度は良い夢を持たされて裏切られた地元の反発は強い。
アメリカは、普天間の移転は当分かなわないと判断したのである。実質的に、現在普天間基地は固定化されている。この現実から抜け出す抱負はなく、アメリカは普天間移設は切り離して考えると言い出したのは、当然の成り行きである。
アメリカは4700人をグアムへ先行移転させる。日米合意の普天間移設が、今後どのような言葉で説明されるか見ものであるが、双方のメンツのためのものになろう。
私は、アメリカのこうした動きは、オバマになるころから始まっていたが、時を同じくして誕生した日本の民主党政権が、うかつにも沖縄をすっかり変えると思っていた。
政権交代は千載一遇のチャンスのはずであった。アメリカは財政負担と、中東戦争の幕引きをしたかった時でもあった。
戦略的にも、長距離を苦にしなくなってきていた。沖縄には、ほんの少しだけ海兵隊がいれば事足りる。それらの全てを裏切ったのが、鳩山坊ちゃまと防衛官僚である。今回の米軍の移転計画は、日本のためにアメリカがあるのではなく、アメリカのために日本が良いように使い走りされていることが分かる。