中国共産党18回大会が終わった。強大な中央集権国家の、そのまた中心部の指導者の決定である。これから5年間はほぼこの体制が続く。
政治局常務委員は9名から7名へと減らされた。その中のトップの総書記には習金平が選ばれた。政治局委員は25名選ばれている。どうやら人事でもめていたらしく、意外と長い時間がかかって最終日までもめたようである。
今回選出された政治局常務委員の習近平は、江沢民の懐刀と言われ
かわいがられてきた。序列2位の李克強は首相に任命されるであろうが、その下の序列3位から7位までほとんどが、江沢民派である。
江沢民は、前々回の総書記である。この男が初日に登場したことで多少驚いたが、中国に愛国教育を徹底した人物である。天安門事件を封殺した人物でもある。
中国の抱える問題は、胡錦濤が指摘し習近平が就任でも述べているが、国内的には汚職と格差問題である。更に、停滞するであろう経済成長は、こうした足枷がさらに追い打ちをかけてくることが考えられる。
更には、習近平が述べるように「偉大な漢民族は発展する」であろうが、多民族国家の漢族の支配を暗示している。政治局員を見ても、ほとんどが漢族である。女性もほとんどいない。
一党独裁がもたらす弊害は、経済成長が鈍化することで噴出することになる。内陸の発展は、沿岸部が経済成長をなしとげた論理からは、外れた存在である。つまり、ナショナリズムを煽ることになるであろうが、従来の手法では格差は拡大以外の結果は起きない。
党大会の最中も、チベットでは焼身自殺が絶えない。国内問題が起きると、武力制圧と海外特に日本をターゲットとした言論誘導で、乗り切ってきた胡錦濤である。海軍の増強した中国を、習近平がどうした形で手腕を発揮するか見ものである。
江沢民の意向が残る中、バランス感覚と最も若いということで就任した、習近平の前途は多難である。李克強は個人的に小沢と近い人物である。日本との関係を修復するには最適なのであるが、現執行部ももちろんのこと自民党になっても、彼に頼る政権ができるとは思えない。当分冬の時代月ずくのであろう。