国粋主義者で極右翼の返り咲き自民党総裁の安倍晋三が、本性をむ
き出しにしてきた。総選挙に向けて、自民党が政権公約を出してきた。成長戦略を巡っての論議が盛んであるが、安倍の本質の右翼思想はそれほど取り上げられない。
改憲と集団的自衛権の容認と、自衛隊を拡充して国防軍への格上げである。国家安全保障法を作って、集団的自衛権の容認をまずは行うとしている。
教育を取り戻すとしているが、安倍の狙いは日教組である。橋下が行ったように、首長が教育町を任命できるようにして、独立性をなくそうとし、ナショナリズムを煽る教育を目指している。
安倍晋三が、政権を投げ出した5年前にはもっと強く打ち出していたが、多少巧みになった感はあるが、国粋主義を掲げる美しい日本の文字は散見される。
もう一つ特徴的なことがある。民主党の失政を汚く罵っていないのである。敵のエラーを指ささない戦略ともとれるが、そうではなくしたたかな戦略が見て取れる。
ここには安倍政権が、消費税反対とTPP反対者を切って、すっきりした野田を敗北した選挙後に取り込もうとする、下心が見え見えなのである。
更にもう一点、公明党の自衛隊へのスタンスである。公明党は集団的自衛権を認めていないし、自衛隊の軍への変質を拒否している。自民党は、便宜上連携をとってきた公明党とたもとを分かついい機会である。
こうしてみると選挙後は、石原慎太郎の言う用の小異(消費税やTPPや原発など)は捨てて、大同(改憲、軍備増強)につこうとする本音が見て取れる。これなら、更に右傾化した自民党と維新の会それに野田民主党が、合同して政権をとることが考えられる。
誰が首相に収まるかは時の成り行きかもしれないが、第1党の自民党より第2党になるであろう、維新の会の石原が担ぎ出される公算が大きい。
行き詰っても、高齢の石原を切れば済むことである。それで石原も満足し、冥途の土産にするだろう。
しかし、この国は一層危険な国家になってしまう。東南アジア諸国が、最も危惧する人物が首相では、危険この上ない。中韓との関係はさらに悪化するであろう。
極右翼政権の誕生は、戦後日本が平和憲法の下、脈々と築いてきた位置を失うことになる。日本が戦争ができる国になることを最も恐れているのは、アジア諸国であり望んでいるのはアメリカである。
この国をもう一度戦争のできる国にしてはならない。