唐突に知事職を投げ出して、国政に打って出るとした石原慎太郎である。神輿に乗りパフォーマンスをやって、大向こうをうならせるのが得意であるが、この男それではどのような政治的成果があるのか、知事として何をしてきたのか?
富裕層出身で何不自由なく育った、慎太郎と裕次郎は憧れであった。彼らが作家で俳優であるならそれも構わない。石原慎太郎の発言にはこうした、思い上がりと庶民の感覚が欠如しているのである。
「所費税も原発も些細な問題」とするのは、彼の脳裏に天皇を中心とする国家感があり、日常の生活など存在しないのである。
同性愛者を「不具者」と呼んだり、知的障碍者たちを見て「人権なんてあるのかね」と平然と言ってのけるのである。東日本大震災を受けて、「天誅が下った」と言ってのけた。「支那は世界の災厄」と批判したこともある。
美濃部都知事に対して「前頭葉が退化した60.70の老人政治家に任せるときは終わった」と言ってのけた。石原は80才になって、国政に打って出るのである。笑止千万である。
都知事としての放蕩三昧は、共産党都議団が明らかにしている。12年間で32回も豪華海外旅行を行っている。内、28回で4億6000万円使っている。3期目の4年間では、13回2億2000万円使っている。北京五輪では、一泊24万3000円のスイートルームに夫人同伴で泊まっている。
その東京五輪招致に150億円使って、何の成果もない。ついでに今回の急遽行われる知事選は、50億円もかかることになる。
政治的には、まず1400億円もつぎ込んだ新銀行東京の破たんがある。多くの専門家の反対を強権で退け、数年で3兆円戻ってくると大言壮語したが、どぶに捨てたと同じである。4000億円の投じた築地の移転はかなわないままである。
石原の給与は、2400万円/年である。。3000万ほどの退職金を3回受け取っているが、今回の退職金が1700万円である。石原は、5億円超の賃金受けていることになる。この男は週に2,3回しか出勤していない。それも平均で一時間程度しか執務をしていない。
弟裕次郎の執刀医が、オウムの林郁夫であることはよく知られている。4男が描いた曼荼羅絵をバックに、麻原彰晃が呪文を唱えていた。4男はオウムに幹部であった。4男の絵を都は高額で購入した。石原が国会議員を唐突に辞めた時が、オウムの手入れがあった時と妙に符合する。石原が、オウムの宗教団体を許可に圧力をかけていたことはよく知られている。
石原が知事を辞めて国政に出ることを、日韓のメディアはもちろんのこと、欧米の報道も、日本の右傾化の台頭と評じている。核武装を平然と発言し、外国人排撃も止むところがない。
何よりも、無知な野田をそそのかして尖閣列島問題に火を点け、中国を激昂させた罪は大きい。数兆円の被害をこの国にもたらしたことになるであろう。こんな男に、国政を委ねなければならないほど、日本の政治は劣化したのであろうか?