今日新たな政党が誕生した。山田正彦氏が、自らが作った政党に追い
出され行き場所がなかった亀井静香と立ち上げた政党では、ニュースにはならない。民主党離脱者が集まった、いくつ目の新党か数えたくもない。
NHKは討論会をどうするのだろう。15の会派をこれまで通りに、それぞれに均等に発言させるのであろうか。党名も長くてかなわん。連呼をしたくてもできないのは良いことかと、皮肉りたくもなる。
最も困るのは、投票する国民である。誰が脱原発だったか、反TPPだったかよく判らない。候補者はそこが付け目かもしれない。所属政党の中での微妙な違いは見えてこない。
それぞれの選挙区で、最大得票者しか認めない小選挙区制はこうした事態を考えていない。15会派にもなるとこの制度は整理できない。
小選挙区制を積極的に導入したのは、今日やっと無罪を勝ち取った小沢一郎である。2大政党が立候補すれば、政策論争が深まり、利権や業界との癒着もなくなるという論法であった。
現実には目先のことばかりに囚われ、ポピュリズムに陥ってしまった。時の流れや風が吹いたとかで、何もわからない小泉チルドレンや小沢ガールが続々誕生した。
前回3倍の議席を獲得した民主党の半数は、初当選であった。政権交代後の民主党の変質と未熟さの原因は、小選挙区制にあるといえる。
更に、今回のように15(17?)も会派があれば、選択が厳しいばかりか、選択対象候補が選挙区にいないことが珍しくはなくなる。
こうしてみると、橋下が石原を取り込んだのは、小選挙区制の下では正しい戦略的だったかもしれない。マスコミの注目度は十分であり、既成政党を脅かすに十分である。目先の論理だけで当選するからである。
中選挙区制に戻し、比例代表制の比重を大きくすることで、これらのことは解決される。少なくとも緩和されることになる。定数削減ばかりが論じられるが、制度が想定外の事態になったら、制度を戻すことを検討すべきである。