そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

集団的自衛権欲しさに歴史を乱引用する自民党

2014-04-11 | 政治と金

集団的自衛権なる言葉が幅を利かせるようになって、それほど時間が経ってはいない。自民党の高村正彦副総裁が、砂川事件最高裁判決を引用し「集団的自衛権を認めたものである」と発言した。
594516 高村は弁護士であることを考えると、これは驚くべき身勝手な引用である。高村は、最高裁は「平和と安全、国の存続全うするための自衛権の行使は、当然できる」と言っている。
砂川事件とは、米軍基地拡張のための測量に反対する人たちが、基地内に入って拘束されたのである。
反対者は、基地の存在は憲法九条に反すると主張、一審はこれを認め無罪判決を下した。上告されたが、結局最高裁は有罪としたのであるが、その根拠は上の文章を見ていただけるとわかる。
かなり良心的にこれを解釈したとしても、単に自衛権があると言っているに過ぎない。更に加えても、この判決は安全保障条約の存在を認めているの過ぎない。集団的などとは、どこにも書かれていない。
集団的自衛権とは、戦闘的行為を強く意識するものである。
そりゃそうだろう。集団的自衛権を、政府や国粋主義者たちが言い出したのは、このもっと後のことである。
この判決は、憲法の前文の重要性を引用している。防衛不足は、平和を愛好する諸国民の公正と信義によって補われるべきとしている。これは九条二項の、我が国は戦力を保持しないということを、強く意識した判決であると言える。
砂川事件の最高裁判決は、日米安全保障条約を認めているだけであって、集団的自衛権という生臭い権利を認めているわけではないのである。高村のなりふり構わない引き合いは、自らの知識の浅さを表しているだけである。

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