ほんの20日前に書いた私のブログ「遂にどこにでも武器を輸出で来る国へと歩き出す 」が現実のものになってきた。審議内容を公開するでもなく、論議するでもない。
閣議決定で、武器を輸出できるように決めたのである。「防衛装備移転原則」と名を変えて、閣議決定したのである。戦後日本が営々と築き上げてきた、平和国家としての信用も実績も、閣議の決定だけで廃棄するのである。日本外交の基本姿勢を、180度転換するのであるが、これを閣議決定だけで行うのである。
日本の憲法九条に基づく、武器あるいは武器に利用されうる機器の輸出の全面禁止を、自民党政権は一枚づつベールを剥いできた。自民党の防衛産業が支援するタカ派が、実績を積み重ねてきた。それが、武器輸出三原則として、ミイラ的存在ではあったが、外形は保ってきたのである。
自民党内の、宏池会やハト派と呼ばれた海部俊樹や加藤紘一などが抵抗していたためである。小選挙区制度が、自民党を単一色に塗り替えてしまった。ハトはいない。
与党内のハト派と呼ばれてもいい存在であるべき公明党は、長年自民党にすり寄って生き延びてきたため、反論も指摘もできない。
武器輸出を現行の三原則の枠内にこだわって論議すること自体が、すでに好戦的である。武器すなわち兵器を輸出するということは、平和国家あるいは平和主義者ならやってはならないことである。ましてや、積極的な平和主義者なら武器に手を染め、死の商人と後ろ指を指されるようなことをやってはならない。
今回驚かされるのは、武器を防衛整備と言い換えて、輸出を移転などと表現している。移転であれば無料提供であるべきである。代金を徴収するなら、輸出である。
閣議決定される「ボーーエーーソーービ」移転原則を見ると、政権の恣意的な判断の幅が極めて大きいことが判る。紛争当事国の判断一つにしても、アメリカは恒常的な紛争当事国であるが、自民党政権が認めることは決してない。集団的自衛権の範囲で判断されることになるだろう。
即ち、武器輸出は紛争の鎮静に働くにではなく、煽る結果になることは明らかである。現在安倍政権は、中国包囲網を目指す国家と交渉中である。戦争を煽る国家が、安倍の目指す積極的平和主義なのである??