もう半月以上になるが、台湾の議会に当たる立法院を学生たちが占拠して、馬英九総統との交渉を重ねている。議会の周辺を、国民が10万人も囲んでいるというのである。
かつては、日本にもこんなに学生が元気な時期もあった。時の政権を倒す勢いもあった。議会を占拠している学生は、1000人ほどだと言われている。南部の高雄でも1000以上の学生が、デモを繰り返している。
事の起こりは、議会がロクな審議もしないまま中国と、「両岸(中台)サービス業貿易協定」を結んだからである。
今や世界第2の経済大国になった中国に、台湾の資本が潰されてしまう危険があるというのが、学生たちの主張である。日本のTPP交渉のようなものである。
学生たちの行動を世論は48%が支持、40%が不支持である。国民全
体が不安を抱いているのであろう。
このところの、中国の海洋進出の軍事行動に不安を抱いていることの証しでもある。ロシアがウクライナの一部、クリミアを併合したことも、重ねあわされる。状況がよく似ているからである。世論を相手に、馬英九総統も彼らを排除できない理由がここにある。
今日(7日)学生側は、基本的な要求が満たされたとして、10日に退去をすると発表した。政府側は審議を中止したようである。
日本の学生や若者たちにもこの程度の気概があればと、羨ましくもある事件だったがなぜか、日本では報道もほとんどない。