そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今最も重要なのは財政再建である

2014-12-18 | 財政再建

昨年我が国は、国と地方の負債が1000兆円を越えた。今の報道などは、国のGDPを越えた500兆円当たりの方が騒がれていた。そのご負債は留まることを知らずに、天文学的に拡大する一方で、世界最大の債権国家である。
蔑ろにされるもっとも大きな理由は「財政の健全化は景気の足を引っ張る」という理由である。更に「国債の95%は日本国民が所有している」というものである。国外依存率の高いギリシャやスペインなどとは異なるというものである。
これらは、問題を先延ばしにする、現在を生き延びなければならない政治家にとって、まことに好都合な論理である。
更には、そのために消費増税ばかりが論じられている。これは構造改革に手を付けられたくない、官僚にとって心地よいものである。加えて税収増には、財政投資が必要であるとばかりに、正体不明で不要で不急の公共事業がドンドンやられている。これこそ、財政赤字の原因ともいえるものであるがお構いなしである。
これも、自民党を支援する、土建屋たちとその関連にとっては心地よい政策である。

上記のグラフは、水野和夫氏の「資本主義の終焉と歴史の危機」からコピーしたものである。このグラフは、2人以上の世帯の金融資産の所有率を、年次を追って示したものである。
1987年には、預金を持っていない世帯が僅か3.3%だったのが、2013年には31.0%にもなっているのである。この表には年代が記載されていないが、バブル以降に急上昇していることや、貧困世帯の年代から推察すれば、40才以下が圧倒的に多いと思われる。
これから日本を担う世代が、国債など購入する余裕などないのである。財政再建に無頓着な政治家たちの最大の根拠が消えてしまうのも時間の問題である。
消費増税が景気の足を引っ張る事実は伏せておきながら、財政再建には都合の良い今だけの理屈で蓋をするのは容認できない。国債の保有率が海外の方が多くなれば、財政破たんは一気に起きることになる。これは少子化問題同様、冷静に見れば簡単に予測できることである。
経済成長による税収増は、成熟した高齢化社会では期待できない。不用の財政投資や官僚に対する徹底した、仕分けこそ抵抗があっても、根本解決には取り組まなければならないことである。
現在最も重要な政治的課題は、財政再建である。国家財政の破たんは一国では到底解決できない問題だからである。財政投資を繰り返すアベノミクスは、財政の悪化を広げるだけである。
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民意を反映できない民主主義

2014-12-18 | 安倍晋三
沖縄の今回の選挙のように、巨大与党に協力して選挙が出来ないかと思ってみた。辺野古基地建設反対の一点で、沖縄の4つの小選挙区は知事選の熱が冷めやらぬまま、総選挙戦に突入した。民主党を除く野党の共闘は、見事に自民党を打ち破った。
ところが、敗北した4人の自民党候補は全員比例区で復活している。自民党が、保険として比例区の上位に、沖縄の候補者を置いた。比例区では下地ですら当選した。
結果として、沖縄4区で選挙戦を戦った9人全員が、衆議院議員になった。沖縄小選挙区で勝利した4人は、早速辺野古に向かい反対で座り込む人たちを激励に訪れた。
比例区とはいえ小選挙区の敗北者の自民党議員は、大手を振ってこれまで以上に辺野古基地建設へ動くことになるであろう。
こう見ると、民意どころか選挙結果は何の意味も持たないのでないかと疑いたくなる。逆に、自民党が小選挙区ですべて勝利したことを考えれば、今回の勝利は意味があるとは思うが、それでも釈然としない結果と言える。小選挙区もおかしいが、比例区についても掲げられた理念と異なり、小選挙区候補者のセーフガードになっているのである。

更に、政党投票となる比例区の動向の意味が理解できない。2009年、2012年、2014年の総選挙で自民党はそれぞれ1881万票で55議席、1662万票で57議席、1765万票で68議席とほとんど得票も議席数も変化がない。国民の自民党という政党に対する評価にはほとんど変化がないのである。
同じく民主党は2984万票で87議席、962万票で30議席、977万票で35議席であるが、これは鳩山党首の時の勝利を除けば、この2回の選挙結果に変化はない。むしる増えているのである。自民勝利も民主敗北もない。
もっと不思議なのは、日本共産党であるが前回の369万票から606万票へ、倍に近い得票ながらも、8議席を21議席に2.6倍に伸ばした。21のうち1議席は沖縄の小選挙区であるから、実質的に全員が比例区当選である。
戦後最低の投票率を、実数で評価するのはおかしい面もあるが、議席数は得票数に関係なく与えられる。短期決戦で泡沫候補が少なかったこともある。それにしても、民意は正当に評価されているとは思えない。

選挙後の世論調査でも主要な政策の多くは国民が反対か疑義を抱いている。集団的自衛権行使容認については60%の人が懸念を持っている。原発は70%が反対か慎重な姿勢を持っている。消費増税は60%が反対か疑念を抱いている。アベノミクスと称する経済対策についても成功すると思っている人は20%程度しかいない。

民主主義というシステムに完璧はないと言われている。しかし、民主主義の理念と矛盾することがあれば、その都度でも訂正するべきである。訂正するのが政治家自身であるから、腰が重くなる。定数削減や報酬の見直しなどはその典型である。それでも、民意を反映できない制度は修正されるべきである。
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羅臼港

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