

韓国がこれに乗ってきて、被爆地訪問の意味を疑問視する発言をしている。会議は全会一致を前提にしているため、広島長崎訪問の必要性の文言は削られ、中国と日本の妥協点を模索するように両国に打診したが、収拾がつかなかった。
唯一の被爆国としての日本の立場を、安倍晋三は売り飛ばした格好である。被爆者は安倍によって政治的に存在を葬られたようなものである。
就任以来、安倍の靖国参拝など挑発は十分効果的で、中国はこれに応えている。これこそ安倍の思うツボで、集団的自衛権の必要性を国民に示す好材料になる。中国にとっても好都合である。海洋進出の理由を見つけてやっているようなものである。
更に中国は、知覧の神風特攻隊の遺跡などを世界遺産に画策する日本に対しても、大きな異議を唱えている。戦争奨励や美化に繋がるとしているのである。その上、本来であれば日本が南京大虐殺を、加害者の日本が世界遺産にするべきとも述べている。ドイツを見習えというのである。中国に環発言させているのは、安倍晋三の歴史観である。
結局、力による国力の誇示は、相手国を刺激することになり、新たなるせめぎ合いになる。軍事力だけではなく、一方的な主張は相手国に不快感を与えるばかりか、更なる挑発の根拠にもさせられるのである。安倍はそのことを全く認識していない。