そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

提唱者も責任者も側近も、誰も認めることができなくなっているアベノミクスの破たん

2016-11-29 | アベノミクス
アベノミクスの理論的な提唱者とされる米エール大学名誉教授の浜田宏一内閣官房参与が、日経新聞のインタビューで「量的金融緩和政策の誤りを認めた」ようである。ようであるというのは、学者特有の理論は正しいが想定外のことが起きてしまったというのである。曰く、「原油価格の下落や、消費税率の5%から8%への引き上げに加え、外国為替市場での投機的な円買いも障害になった。」というのである。それでも、浜田宏一は量的金融緩和策がうまく行っていないことは、少しは認めているようにも見える。
アベノミクスの最大の指標が、デフレ脱却である。2年後には物価2%上昇という大見得を黒田東彦日銀総裁は切ったが、金融緩和をいくら繰り返しても物価は上がらない。ついにマイナス金利という禁じ手まで出してはみたが、一向に物価は上がらない。つまりデフレ脱却など起きていないのである。円安と株高と金融市場の動向で、輸出業者や一部の株主や金満家が潤っただけに過ぎない。何度もバズーガーを放った黒田東彦は、単なる大ぼら吹きでしかなかった。今は黙したままで、任期の切れるのを待っている。浜田宏一も黒田東彦も誰も責任取る気などまったくない。政治家は結果責任が伴うが、学者は理論上の問題であるから想定外のためにすればいいし、勇気ある学者であれば理論を代えればいいのである。お役人は業務命令に従えばいいのであって、責任は上役(政治家)がとればいいのである。もっとも政治家でも、安倍晋三のように居直って責任さえとることがない不逞の輩もいる(珍しくはないが)。結局は責任は国民が負うことになるのである。

これらはアベノミクスの第一の矢の金融政策である。第二の矢は財政再建に抗する、公共事業のオンパレードである。どうしてこんなもの作るのかと思われるものや、建前だけでお金が農村に降りてくる。潤うのは中間業者と土建屋だけである。
第三の矢となる成長政策は全く示されていない。それでいて突如として、GDP600兆円や一億総活躍などと言い始めた。経済政策の破綻を覆い隠す猫騙しでしかない。要するに、アベノミクスは経済指標となる株価の動向や金の動きに効果があったが、財政悪化を促進させたに過ぎないだけの経済政策である。
今や独裁者と化した安倍晋三であるが、党内に反乱者はなく人事権は安倍一人が握っている状況である。誰も反論できないまま、誰も指摘することすらなくアベノミクスの妄想は何処まで続けられるのだろうか。
コメント (1)
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