そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

NHKBSの「PKO、23年目の告白」からを見て,南スーダン派兵の危険性を思う

2016-11-28 | 集団的自衛権
一昨日NHKのBSで放送された、「PKO、23年目の告白」前編の『そして75人は海を渡った』と後編の『そこは”戦場”だった』を見た。番組は宮沢政権下に日本で初めて、PKO活動を行ったカンボジアに派遣された文民警察官の活動の中で、1993年5月に一名の死者を出した事件を軸に構成されている。派遣警察官の手記と50時間にもなる、彼らが映したビデオを交えて、生々しい当時の様子を番組は映し出していた。派遣された75名は無事帰ることを最大の使命としたがそれはかなわなかった。
後編の副題にもなっているが、カンボジアの現状は停戦合意とは名ばかりで、どこでも戦場と言われる状況であった。攻撃され一人がなくなったが、UNと横に大きく書かれた車を訓練された集団が攻撃をしている。派遣警察官は、明らかにポルポト派の攻撃と主張している。しかし日本は正体不明の一段の攻撃と報告している。金などが奪われた物取りというのである。ポルポト派であれば、停戦合意に背き5原則に反するから認めようとはしないのである。ポルポト派は、カンボジアの平和を乱しているのは日本人であるとの文書を日本に突き付けている。
その他に、隊員たちが危険を感じたことは日常的に起きていた。紛争地の現実は極めて厳しいものがあった。カンボジアの現状報告は全て秘密指定にされ、政府に報告されていた。

カンボジアでは、ポルポト政権下で160万人の国民が殺害されが対立していた、4勢力がパリで和平協定を結んだのである。国連は文民の派遣を決議し、それを受けて日本はPKO(国連平和維持活動)支援法案を可決させたが、それには次の5原則を派遣の前提とした。
①停戦合意の成立 ②紛争当事者の合意 ③中立的立場の厳守 ④原則が崩れた場合の撤収 ⑤必要最小限の武器使用、というものである。
NHKが制作したこの番組で、か派遣警察官は自動小銃を隠し持っていたことを告白している。あるいは個人的に傭兵で身辺警護をやっていた。日本の原則では身を守ることはできないと感じていたのである。
文民警察が殺害された車にはオランダ兵も乗車していた。当然オランダ兵は銃を持って反撃した。そのことで銃撃され死者が出たのではないかともいわれている。23年経ちその兵士はそのことを肯定も否定もしなかった。

NHKは会長に安倍のお友達の籾井が就任してから、こうしたドキュメントの切込みは明らかに鈍っている。今回のドキュメントも見ようによっては、南スーダンへの派遣は銃器を持つことは当然であるとも読み取れる内容になっている。
今回新たな任務を付与された自衛官が銃器を持って派兵されてている。南スーダンの現状は政権を担っている大統領派とこれに抗する副大統領派の内戦状態にある。停戦の合意などするべくもなく、首都も含め戦闘地そのものである。
南スーダンは、5原則の1,2,3が満たされている状況などではない。自衛隊の派兵そのものの原則が守られていない状況である。銃器持参や身辺警護駆やかけつけ警備などの論議の前に、派兵そのものがPKO派遣法に背いているのである。
たった7時間ほど防弾チョッキを着て見ただけで、ウルトラ右翼の稲田朋美は南スーダンは戦闘地ではないと、神業の報告をしている。安倍たちとその一派の考えは明らかである。一旦ことが起きて、何人かが銃撃戦で亡くなれば、それ見たことかと法律を変えて大量の派兵を行うのである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港