日本は世界で一番安全と思っている方々に農産物はそうでないと警告したい。上のグラフは単に面積当たり2010年の投与量であるが(日本の資料だけ2009年)、圧倒的に日本は世界一なのである。農薬とは、殺虫剤、除菌剤、除草剤であるが、特定の農薬に限って異なるデータもなくはないが、日本は全体としては圧倒的に世界一なのである。
2年ほど前に日本のイチゴが、台湾の規制値を超えた殺虫剤のピメトロジンが検出され、輸入が禁止されていた。規制値は日本の200分の一であるがこれを上回ったとのことである。台湾では2009年にも、青森のリンゴから殺菌剤のトリフロキシトロンが検出され輸入停止になっている。
農薬が規制値以下であれば安全であるとするのは、消費者を守っているように見えても、本来はなかった物質を生産性のために使用していることを認識するなら、安全基準などないに等しい。農薬や保存薬とはそうしたものである。
日本は緯度が低く日光量が豊富で、降水量も高く植物の炭酸異化作用は世界でも高い地域なのである。労働生産性が低いように見るえるのは、耕作地が狭いためである。大量生産を掲げる日本の農政が、大量の農薬を求めるようになったのである。さらには農産物輸出の大号令で、見た目にばかり捕らわれるような、味を前提にしたような”商品”に祀り上げるから、高農薬投与の生産物ばかりになるのである。
国連は小農・家族型農業が世界を救うとキャンペーンの最中である。日本は署名していない。日本農政は日本の風土を無視した農業政策のため、大量の農薬が必要になるのである。