そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

企業の行う養鶏は農業ではないし、アニマルウェルフェアを声高に恐れをなす

2020-12-05 | 農業と食

これは日刊ゲンダイの調査による養鶏政治連盟への献金の一覧である。こんなに大金をばら撒いていたのかとあきれもするが、政治が農政を歪め農業をあらぬ方向ん漏ってゆこうとする意図が見える。
そもそも、大量のアメリカからの無関税で飼料用穀物が輸入されていることがおかしいが、日本の畜産と食糧の自給をあらぬ方向に向けてしまった。穀物を鶏に与えて玉子に変えると、カロリーは10分の1に下がる。食料自給率を大きくげる働きをする。玉子そのもの国産で自給していても、輸入穀物に依存しているからである。
アキタフーズのような企業経営の農地さえ持たない、鶏の餌さえ作らない10万羽規模の養鶏は農業ではない。食料を生産しているように見えても、食料を浪費しているからである。このような飼い方は農業ではない。
そんな企業が卵を生産しているからと、農水省の管轄下にあるのも妙な話である。その鶏たちは単に玉子を生産する道具でしかない。
鶏は生まれたその日に嘴を切り落とされ、卵を産むまでに数度何種かのワクチンを打たれる。数万羽単位の鶏舎はライトがつけられっぱなしで明るくされ夜も昼も季節さえ知らずに、金網のケージで何段かに上に組まれ中空にいたままで、A4サイズの身動きすらできなず羽根も伸ばすことができない。歩くことも大好きな砂遊びも仲間と突き合うこともできない。こうした養鶏場では、毎日数百羽単位は死亡個体がでる。健康でも10か月は生かされることはない。店頭では10個120~150円ほどで販売されている。
こうした飼い方は家畜を生命ある個体と認めようとするアニマルウェルフェア、家畜福祉に反するとされ、EUでは禁止されつつある。企業養鶏は、鶏が健康になっては困るのである。大量の遺伝子組み換え穀物を消費しなければ輸入業者は困るのである。彼らは健全な養鶏をするようなことがあっては困るので、政治家にお願いするのである。
吉川貴盛元農水大臣に現金を渡したアキタフーズ側は『鶏卵業界に便宜を図ってもらう目的で現金を渡した』『違法と認識していた』と認めている。
企業養鶏は、健全な商品を市場に出すことも、鶏を命ある動物とみなすことも、消費者に健全な食品を提供することも全く考えていない。
養鶏業者の興味は、企業が儲かるかどうかだけである。河井夫妻が金ばら撒いたから、たまたま見つかっただけの話で、他にもいっぱいあるだろ。

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